- 予算区分
- BA 環境-地球推進 F-5
- 研究課題コード
- 0305BA557
- 開始/終了年度
- 2003~2005年
- キーワード(日本語)
- サンゴ礁,石西礁湖,流動モデル,卵幼生輸送,トラジェトリー
- キーワード(英語)
- CORAL REEF,YAEYAMA ISLAND,TRAJECTORY,EGG AND LARVAE,HYDROGRAPHIC MODEL SIMURELATION
研究概要
サンゴ礁は海の熱帯林生物多様性が豊富であるが、近年劣化している。我が国も自国内にサンゴ礁を有する先進国として、日米コモンアジェンダを契機に1994年にサンゴ礁の保全と持続的な利用に関する包括的な国際枠組みである「国際サンゴ礁イニシアチィブ(ICRI)」を築きあげ、サンゴ礁の保全に向けて取り組む方針を示している。特に、サンゴ礁海域に保護区を設定して、重点的に管理を施す必要があるが、その際、海域の海洋物理的特性の考慮も含めた科学的な根拠に基づいた決定を行い行政側に提示する必要がある。
研究の性格
- 主たるもの:政策研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
サンゴ礁生態系が成立するためには、サンゴ群集そのものだけでなく、海水の流動や拡散がサンゴの卵および幼生がソース地域から加入(着床)地域をどのように運ぶかが大きな要素となる。この過程を明らかにするため、石西礁湖(八重山諸島の石垣・西表・黒島に囲まれた浅海域)における流動を数値シミュレーションモデルによって求める。また計算された流動場の上での粒子輸送のトラジェクトリー(流跡線)を計算し、ソース地域としてどの地域を重点的に保全すべきかに関する提言を行う。
今年度の研究概要
平成15年度の計算で得られた流動場と、同海域の既存の流速計実測データを比較して計算の妥当性を検証する。また、流動場に基づいて、サンゴの卵・幼生が輸送されるトラジェクトリーを求める。トラジェクトリーは、既存の4つの保護区を通るもの、および、国立環境研究所の2つの長期水中画像取得地点を通過するものとする。この結果により、1)移流と分散のどちらの効果が支配的か? 2)サンゴ卵・幼生が着生するまでに石西礁湖に留まっていられるか? 3)現在大発生の兆しが見えるオニヒトデの分散への応用、を考察する。
備考
水産総合研究センターが課題代表となり,他に産業技術総合研究所,国立環境研究所,東京海洋大学,東京大学,島根大学が加わった共同研究課題である。