- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0304CD564
- 開始/終了年度
- 2003~2004年
- キーワード(日本語)
- 屈斜路湖,酸性化,富栄養化
- キーワード(英語)
- LAKE KUSSHARO,ACIDIFICATION,EUTROPHICATION
研究概要
日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖のpHは1960年に最低値4を記録したが、その後、特段の対策を講じていないにもかかわらず、1980年代から徐々にpHが自然回復している。このような屈斜路湖の酸性化・中性化の原因を、物理的観測、化学的観測を通じて明らかにする。そして、酸・アルカリ収支の崩れによる再度の酸性化の可能性、あるいは、中性を維持した際の湖沼富栄養化の可能性について、アルカリ度やクロロフィルなどの長期観測・連続的観測によって予測する手法をることを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
屈斜路湖が自然に中性化した原因を探るため、酸・アルカリ収支などの物質収支を求める。あわせて、過去の観測値や人文科学的データを集積して、中性化の原因を説明する。湖沼中に存在するといわれている湧水の位置とその状態について、温度や成分の測定から明らかにする。
屈斜路湖への酸・アルカリ収支の崩れや富栄養化が今後進展するかどうかを調査するため、地元のボランティアの協力を得つつ長期間の観測を開始する。また、結氷時の欠測を補うために、係留計による観測を実施する。過去の水質データ変遷と定期的観測あるいは係留による連続観測との組み合わせにより、今後の屈斜路湖の再酸性化あるいは富栄養化の兆候を検出できる体制を整える。(15〜16年度)
今年度の研究概要
係留中の温度計、クロロフィルロガーを回収し、結氷期、解氷期を通じた熱、物質、クロロフィル量の年変動を解析する。酸性河川水の流入と物質の除去について見積もる。釧路川における月ごとの観測を継続し、水質の変動の方向性を見る。以上より、中性化の原因と将来の変動について検討する。
備考
共同研究機関:千葉大学,てしかが自然史研究会
課題代表者
田中 敦
担当者
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瀬山 春彦