- 予算区分
- BA 環境-地球推進 B-8
- 研究課題コード
- 0204BA346
- 開始/終了年度
- 2002~2004年
- キーワード(日本語)
- 有機エアロゾル,アジア・ブラウン・ヘイズ,エアロゾル質量分析計,ライダー
- キーワード(英語)
- ORGANIC AEROSOLS,ATMOSPHERIC BROWN CLOUDS-ASIA,AEROSOL MASS SPECTROMETER,LIDAR
研究概要
地球温暖化研究において、エアロゾルは地球・地域の気候を支配する放射収支に大きな影響を持っているが、温室効果ガスの観測等に比べて、その実態の解明が遅れている。モデルによって温暖化の将来予測を精確に行うには、エアロゾルによる放射強制力を精確に求めなければならない。一方、アジア地域には、南アジアから東南アジア、東アジアの広い地域において高さ3kmにも及ぶ密度の高いヘイズ(Atmospheric Brown Clouds-Asiaと命名された)がかかっており、炭素質粒子が東南アジアから日本にまで到達している。環境政策の面からもヘイズの長距離越境汚染が各国の状況に影響を与え複雑にしているので、この地域全体を含むような広域の問題として捉え、解決を図る。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
リアルタイムで成分分析が可能なエアロゾル質量分析計を用いて、硫酸塩、硝酸塩と有機物を中心とした大陸からのエアロゾルを、東シナ海上の島嶼において観測し、大陸起源エアロゾルの組成変動を明らかにする。タイおよび奄美大島に既設のライダーを活用して観測を行ない、大気境界層内のエアロゾルの分布構造や自由対流圏への輸送を解析する。また、複数波長のライダー信号を用いた解析手法と衛星データ、地上データ、化学輸送モデルを併用することによって、有機エアロゾルを特定しその動態を明らかにする。
今年度の研究概要
沖縄辺戸岬における野外観測を継続し、汚染ガスとエアロゾルの化学組成、粒径分布などの関係を定量的に把握する。継続的なライダー観測データから種々のエアロゾルの分布を解析し、化学輸送モデルや風速データと比較することにより広域にわたるエアロゾルの動態を明らかにする。観測研究との連携を経て検証された全球エアロゾルモデルにより、各種排出源の将来変動を見込んだ濃度予測を行うとともに、衛星データ解析で得られたエミッションを考慮した化学領域モデルを用い、沖縄における一酸化炭素濃度を予測する。
備考
共同研究者:北田敏広(豊橋技術科学大学),梶井克純(東京都立大学)