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グローバル水循環系におけるリン・窒素負荷増大とシリカ減少による海洋環境変質に関する研究(平成 16年度)
Study on the marine environmental deterioration due to the global increase in the discharge of phosphorus and nitrogen and decrease in the supply of silica

予算区分
BA 環境-地球推進 D-3
研究課題コード
0204BA383
開始/終了年度
2002~2004年
キーワード(日本語)
グローバル水循環系,大規模ダム,(N,P)/Si比,ケイ藻/非ケイ藻比,シリカ欠損
キーワード(英語)
GLOBAL WATER CYCLE,LARGE DAM,(N,P)/SI RATIO,DIATOM/NON-DIATOM ALGAL RATIO,SILICA DEFICIENCY

研究概要

地球規模の水系に対するリン(P)、窒素(N)の負荷が増大している一方、大規模ダムの建設等によって増えた停滞陸水域でのケイ藻の吸収・沈降により自然溶出によるケイ素の流下は減りつつある。このため沿岸海域で、シリカを必要とするケイ藻類よりも、非ケイ藻類(潜在的に有害)が有利になり、生態系の基盤が変質するといわれる(シリカ欠損仮説)。この仮説の検証と海域の生態系への影響評価を行い、地球規模の水環境管理施策への提言を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

国立環境研究所が課題代表となり、各サブテーマで、複数の水系と手法(現場観測、数値モデル、室内実験)を分担し「シリカ欠損仮説」の精査・検証を行う。NIES担当のサブテーマでは、琵琶湖-淀川-東部瀬戸内海域のモデル水系で、生物化学項目の時系列観測および既存の長期水質データのデータベース化を行い(平成14・15年度)シリカ欠損とその海域生態系への影響を明らかにする。さらに、他のサブテーマの成果も合わせてシリカ欠損過程を簡略化したモデルに集約し、これに基づいて地球規模のシリカ欠損を評価する(平成16年度)。

今年度の研究概要

前2年度の調査に加えて、短期変動(1回の降雨について、海域のリン、窒素、シリカ、植物プランクトン組成がどう応答するか)の時系列把握に重点をおいた観測を行う。前年度までの結果と、他のサブテーマの結果を併せて総合解析を行い、得られた結果を世界各地の水系に適用して、地球規模のシリカ欠損現象の進行を評価する。

備考

NIES,水産総合研究センター,滋賀県立大学,信州大学,岡山大学,九州大学の6機関がサブテーマを担当する共同研究課題である。

課題代表者

原島 省