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重点5. 東アジアの流域圏における生態系機能のモデル化と持続可能な環境管理(平成 16年度)
5. Research project on integrated environmental management aided by modelling of eco-system functions through the basin in East Asia

研究課題コード
0105SP051
開始/終了年度
2001~2005年
キーワード(日本語)
東アジア, 流域圏, 生態系機能, 水循環変化, 水資源劣化, 環境資源劣化, 総合的流域環境管理
キーワード(英語)
EAST ASIA, THROUGH WATERSHED TO SEA, ECO-SYSTEM FUNCTIONS, CHANGE OF WATER CYCLE, DEGRADATION OF WATER RESOURCES, DEGRADATION OF ENVIRONMENTAL RESOURCES, COMPREHENSIVE WATERSHED ENVIRONMENTAL MANAGEMENT

研究概要

21世紀の日本及びアジア・太平洋地域における均衡ある経済発展にとって、森林減少、水質汚濁、水資源枯渇、土壌流出等の自然資源の枯渇・劣化が大きな制約要因となりつつある。こうした環境問題に対処するためには、環境の基本ユニットである『流域圏(山〜河川〜海)』が持つ受容力を科学的に観測・把握し、モデル化を行うことにより環境受容力の脆弱な地域を予測した上で、環境負荷の減少、環境保全計画の作定、開発計画の見直し、環境修復技術の適用等環境管理を行っていくことが最も必要である。本プロジェクトは、東アジアを対象として、流域圏が持つ生態系機能(大気との熱・物質交換、植生の保水能力と洪水・乾燥調節、水循環と淡水供給、土壌形成と侵食制御、物質循環と浄化、農業生産と土地利用、海域物質循環と生物生産など)を総合的に観測・把握し、そのモデル化と予測手法の開発を行うものである。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

平成16年度 : 流域圏が持つ生態系機能(植生の保水能力と洪水・乾燥調節、土壌形成と侵食制御、物質循環と浄化、農業生産と土地利用、海域物質循環と生物生産など)に関する個別モデルの応用展開を図る。さらに,衛星モニタリングに支援された水圏−土壌圏−植生−大気圏での熱・水・物質収支モデルを開発する。
平成17年度 : サブモデルの統合化と想定シナリオに基づいた環境変化が環境資源に及ぼす影響と劣化対策を統合モデルより検討する。

今年度の研究概要

(1)MODIS環境情報に支援された流域生態系統合モデルを開発し,広域な熱・水と炭素循環プロセスをシミュレーションすると同時に,流域の水資源量、炭素と窒素の固定量及び植物や作物生産量などを予測する。
(2)黄河流域は近年の著しい人口増加,西部地域での大開発などに伴い、上下流の水配分問題が顕在化し、上流域での非効率灌漑、下流域での水不足、断流、土砂の堆積、地下水位低下などの深刻な事態に直面している。このような諸問題の解決のために、半乾燥帯の水文過程、灌漑配水形態、黄土流出現象などを考慮したグリッド型の流域管理モデルの開発を進める。
(3)陸棚域(日本EEZ内)において観測された P.dentatum 赤潮と中国沿岸域で報告されている同種赤潮との直接的な関係を明らかにするため、有光層・密度躍層上層における藻類維持機構について航海調査や大型培養実験系を通じて把握するとともに、流動モデル解析によって長江淡水と粒子状物質の陸棚域への時空間的な輸送・拡散動態を把握することによって、本赤潮種の発生起源・消長、本種優占海域の食物連鎖への影響を明らかにする。
(4)沿岸域における環境修復技術の影響・効果を自然干潟・人工干潟での調査から検討する。降雨後の負荷による影響を時系列的に調査する。

備考

外国共同研究機関:
中国科学院地理科学与資源研究所:劉紀遠,庄大方
中国科学院遙感応用研究所 :昊秋華
中国華東師範大学資源環境学院:陳中原
中国水利部長江水利委員会:徐保華,翁立達

課題代表者

村上 正吾