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2023年4月28日

「第38回全国環境研究所交流シンポジウム」開催報告

【行事報告】

企画部研究推進室

 全国環境研究所交流シンポジウムは、「環境研究に関する研究発表、意見交換を通じて地方環境研究所と国立環境研究所の研究者間の交流を図り、共同研究等の新たな展開に役立てると共に、環境研究の一層の推進を図る」ことを目的に、第1回の昭和61年以来、毎年度の第4四半期に開催されているものです。第38回目となる今回は、令和5年2月9日及び10日に、会場として国立環境研究所大山記念ホールの他、オンライン(Zoom Webinars)を併用して開催されました。参加は会場で延べ93名、オンラインのアカウント数で235の方が参加されました。オンラインということで、1アカウントから複数の視聴者があり、それを勘案すると更に多くの方々が視聴されたかと思われます。

 まず、木本理事長による開会挨拶があり、引き続き17件の一般講演と、1件の情報提供が行われました。今回の講演プログラムを作成するにあたっては、事前に各地方環境研究所に行なったアンケート調査において関心の高いテーマを調査し、その結果を基に地方環境研究機関と国立環境研究所から公募し、応募のあった演題を持って各セクションを設け構成しました。講演題目と発表者については下をご覧ください。

 質疑については会場とオンラインからのチャットを用いて受付け、各時間内に口頭にて回答頂きました。限られた時間内で活発な議論がなされ、それぞれの地域の環境問題に対する各地方環境研究所の取り組みについて多くの知見が共有されました。また、各時間内に回答しきれなかった質問に対しては、開催後に追加の回答としてホームページに掲載いたしました。

 最後に森口理事の閉会挨拶をもって終了いたしました。

 事後アンケートによると、地方環境研究所の研究者や、一般の方々からも数多く参加されており、内容についても満足いただけたようでした。最後に、地方環境研究所と国立環境研究所の研究者が一堂に会し、地域環境研究の最新動向を共有し議論する貴重な機会となりましたことを報告すると共に、ご講演、ご参加いただいた皆様や、企画・運営にご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。

《第38回全国環境研究所交流シンポジウム講演題目と発表者》*敬称略

【2月9日(木)】

研究発表 <化学物質> 座長: 中島 大介(国立環境研究所)

(1) 「環境リスク初期評価の活用と最近の研究課題」
  ○大野 浩一(国立環境研究所)
(2) 「川崎市における化学物質の環境リスク評価について」
  ○江原 均(川崎市環境総合研究所)
(3) 「埼玉県生活環境保全条例による化学物質の適正管理について」
  ○大塚 宜寿 (埼玉県環境科学国際センター)

研究発表<気候変動適応> 座長:肱岡 靖明(国立環境研究所)

(4) 「愛媛県における暑熱環境の調査結果について」
  ○横溝 秀明(愛媛県気候変動適応センター)
(5) 「沖縄県のサンゴ礁生態系と赤土等の関係について」
  ○比嘉 彩也香(沖縄県衛生環境研究所)
(6) 「気候変動影響検出を目的としたモニタリング体制の構築 -長野県、静岡県における活動紹介-」
  ○小熊 宏之(国立環境研究所)
(7)「隠岐の40 年間の大気粉塵試料を使った気候変動影響調査」
  ○向井 人史(国立環境研究所)

研究発表<災害環境研究> 座長:大迫 政浩(国立環境研究所)

(8) 「福島県浜通りにおける河川中の放射性セシウムの動き」
  ○竹内 幸生(福島県環境創造センター)
(9) 「災害廃棄物処理における研究機関の役割について」
  ○多島 良(国立環境研究所)

情報提供 <環境研究学術情報提供>

(10) 「環境研究における学術情報流通の動向とリポジトリの役割-」
  ○尾鷲 瑞穂(国立環境研究所)

【2 月10 日(金)】

研究発表 <不適正な廃棄物埋立地等の迅速対応調査> 座長:山田 正人(国立環境研究所)

(11)「廃棄物最終処分場の廃止基準の設定に向けた埋立地ガスモニタリング方法の検討」
  ○長森 正尚(埼玉県環境科学国際センター)
(12)「廃棄物最終処分場における検知管による水試料中の溶存硫化物簡易測定」
  ○小口 文子(長野県環境保全研究所)
(13)「廃棄物の不適正管理に起因する環境影響の未然防止に係る迅速対応調査手法の構築
-水質分析結果に基づいた保有水の流向推定-」
  ○矢吹 芳教(地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所)
(14)「廃棄物の不適正管理に起因する環境影響の未然防止に係る迅速対応調査手法の構築
-保有水およびその周辺地下水の有機化学物質および微生物群集特性-」
  ○伊藤 耕二(地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所)
(15)「廃棄物最終処分場から採取したボーリング掘削コア試料の鉱物組成が有害金属の溶出挙動へ与える影響の検討」
  ○北村 洋樹(国立環境研究所)

研究発表<水環境、水生生物、大気汚染> 座長:松崎 慎一郎(国立環境研究所)

(16) 「水生昆虫の環境DNA 調査手法開発中間報告-プロトコル改善による検出率の向上-」
  ○長谷部 勇太(神奈川県環境科学センター)
(17)「降雨時の市街地・道路から流出する硝酸イオンの挙動」
  ○横山 新紀(千葉県環境研究センター)
(18)「印旛沼における植物プランクトン増殖機構について」
  ○星野 武司(千葉県環境研究センター)

詳しい内容は、予稿集全文(下記のURL)でご覧になれます。