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2024年12月13日

資源循環研究プログラム
(課題解決型研究プログラム)(平成28~令和2年度)

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-150-2024

SR150表紙画像
SR-150-2024 [9.6MB]

 本報告書は、平成28年度~令和2年度の5年間にわたって実施した資源循環研究プログラム(持続可能な資源利用と循環型社会実現のための研究プログラム)の研究成果を取りまとめたものです。

 資源循環研究プログラムでは、環境研究・環境技術開発の推進戦略(中央環境審議会答申、2015年8月)に基づき、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進する技術・社会システムの構築、廃棄物の適正処理と処理施設の長寿命化・機能向上に資する研究・技術開発、バイオマス等の廃棄物からのエネルギー回収を推進する技術・システムの構築に取り組みました。具体的には、日本の生産消費活動が国際サプライチェーンを通じて誘引する資源消費や環境負荷への認識、資源循環に伴う有害物質などの随伴物質の挙動把握と影響評価、人口減少や高齢化などの社会変化に対応する循環型社会への転換、アジア圏における持続可能な廃棄物処理システムの提示、さらには次世代型のエネルギー化技術や中間処理技術の開発といった要請に応える形で、5つの研究プロジェクトを精力的に実施しました。5年間においては、プラスチック問題への関心の高まりや資源循環における気候変動目標など、国際的な情勢変化に対応するとともに、2019年度末からは新型コロナウイルスの感染拡大防止も配慮して研究を進めました。研究の結果は「資源需給と廃棄物処理の将来」「資源利用の高効率化と社会実装」「資源利用の安全確保」といった、持続可能な資源循環を支える3つの重要な観点で整理することができ、各PJからはそれぞれの観点に対して貴重な成果を上げることができました。これらは第5期においても、物質フロー革新研究プログラムや資源循環分野の基礎基盤研究などの関連研究に引き継がれています。これらの研究成果が、市民、大学・研究機関・民間の研究者・技術者、行政の政策担当者など多くの皆様のご参考になることを強く願ってやみません。


(国立環境研究所 資源・循環領域 領域長 南齋 規介)