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2024年3月29日

自然共生研究プログラム(課題解決型研究プログラム)(平成28~令和2年度)

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-143-2024

SR143表紙画像
SR-143-2024 [13.7MB]

 本報告書は、平成28~令和2年度の5年間にわたって実施した課題解決型研究プログラム「自然共生研究プログラム」の研究成果をとりまとめたものです。

 本研究プログラムは、生物多様性国家戦略に記された生物多様性4つの危機に対処するよう構成されています。プロジェクト1が第1の危機:開発など人間活動による危機(破壊、乱獲)及び第2の危機:自然に対する働きかけの縮小による危機(耕作放棄、里山の減少)に、プロジェクト2が第3の危機:人間により持ち込まれたものによる危機(侵入種、汚染)に、プロジェクト3が第4の危機:気候変動による危機)に対応しており、それらを統合的に解析するプロジェクト4が設置され、これらによる生物多様性の保全に基づき、プロジェクト5においては、森里川海のつながりの保全を含む生態系機能・サービスの評価と持続的利用に取り組みました。

 これらの取り組みにより、生物多様性の保全においては生物多様性4つの危機への対処、持続的利用においては生態系サービスの評価に基づく生物多様性の主流化に貢献することができました。また、両者を統合する保全優先度を検討するツールを開発し、人口減少等の課題に対応した保護区候補地の選定を行うとともに、生態系サービスと生物多様性を可視化し、トレードオフやシナジーに基づく生態系の活用策を提案いたしました。これらの成果は、第5期中長期計画における新しい自然共生研究プログラムに引き継がれ、生物多様性の保全と持続的利用の両立を推進するとともに、両立に向けた行動変容など社会変革へと発展を遂げています。


(国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター センター長 山野博之)