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2020年1月17日

図解でわかる!環境問題
~国立環境研究所×ビジネス図解研究所が初コラボ~

(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付)

令和2年1月17日(金)
国立研究開発法人 国立環境研究所
資源循環・廃棄物研究センター
循環型社会システム研究室
 室長 田崎 智宏
社会環境システム研究センター
 副センター長 亀山 康子
 主任研究員 山口 臨太郎
ビジネス図解研究所
 

   国立環境研究所の研究チームは、環境問題が発生してから対策が講じられ収束するまでの過程をシンプルに示す「環境問題図解」を完成させました。この成果は、『ビジネスモデル2.0図鑑』(2018年 KADOKAWA)等で知られるビジネス図解研究所との初の共同作業によって実現しました。今まで環境問題に関心を寄せる機会がなかった方々や、環境研究の話を難しいと感じていらした方々が、環境問題の本質を理解しやすくすることを目的としています。
 

1.環境問題を図解する意味

   環境問題は、自然とさまざまな人間活動の複雑なかかわりによって生じます。人間活動の中には、資源やエネルギーを生産・消費する経済的な行動もあれば、社会の中の一員として活動したり全体の人々のために活動したりする社会的な行動もあり、環境問題との関連性は複雑です。しかし、環境問題の複雑な構造について研究者が話すだけでは、難しいと受け止められ、敬遠されてしまいかねません。もっと多くの人が、近寄りやすく、思わず見たくなるような表現方法はないだろうか。その時に我々研究グループが出会ったのが「図解」というアプローチでした。
   図解では、本質を理解していただくために、本質的なところだけを残して、その他の細かい情報はそぎ落とします。個別の環境問題の詳細まで伝えることはできませんが、現代の多くの環境問題に共通する構造を浮き彫りにします。

2.図解の利用方法

   まずは「共通図解」のところで、図解の全般的なルールが示されます。厳密には多少の違いはありますが、多くの環境問題が、この図解ルールで示される要素を有しています。今回の図解では、とりわけ、①当初は持続可能な使い方をされていた環境や資源が、②経済活動の増大に伴って自然の再生速度や浄化速度を超えて使われるようになって、③環境問題を引き起こし、④その問題を認識した人々からの声を受けて、④対策が講じられるようになり、⑤環境問題が収束するというメカニズムを対象にしました(なお、人々や国々が協力できないことや、科学的な不確実性や無知により対策が進まないこと等によっても、環境問題は発生・深刻化しますが、そのようなメカニズムは明示されていません)。
   次の「問題別図解」では、先の共通的な図解ルールを用いて、具体例として「公害」「気候変動」「資源問題」を説明しています。普段は難しく感じられてしまいがちな環境問題の話も、シンプルな図解で見ることができます。

環境問題の基本構造を表した図
図1 環境問題の基本構造


環境問題の5つのフェーズを表した図
図2 環境問題の5つのフェーズ

   本研究の成果は、令和2年1月17日付で国立環境研究所のホームページおよびビジネス図解研究所のNOTEで公表され、どなたでも閲覧いただけます。

【URL】

3.ビジネス図解研究所とは

   ビジネス図解研究所は、「ビジネスの感動を広げる」というミッションで活動するコミュニティです。約50名のメンバーによって構成されており、広告代理店、NPO、証券会社、経営コンサル、不動産、食品メーカー、IT、製造業、飲食、エンジニア、建築家、UIデザイナー、法務などさまざまな業種の方が参加しています。2018年に出版した『ビジネスモデル2.0図鑑』が多くの反響を得たことをきっかけに、講演やワークショップを企業向けに展開しています。

4.研究としての位置づけ

   国立環境研究所では、第4期中長期計画における「統合研究プログラム」の下で、持続可能な社会を計測するための指標研究を実施しています。とりわけ、環境と経済と社会の間の複雑な関係性を指標などで捉えていくことを重視してきました。今回公表された「環境問題図解」は、持続可能な社会の中で、特に環境と経済のバランスに関わる点を中心に分かりやすく伝えることを目的として作成されたものです。今回の図解からは、問題を引き起こすループと問題を解決するループのコントロールが大切であることが表現されています。持続可能性指標研究の観点からは、経済活動と人々の幸福との関係や、経済格差などの社会問題と経済や環境との関連性、将来世代と現世代との間の公平性なども重要です。しかし、このような観点をすべて入れ込むと図解が複雑になってしまい、本質的理解を妨げると考えたことから、今回の図解ではあえて表現していません。上記の観点の図解は今後も引き続き取り組んでいく予定です。

5.関連する研究

持続可能性連環指標体系のページ
http://www.nies.go.jp/social/japansdi/index.html

6.問い合わせ先

【研究に関する問い合わせ】
国立研究開発法人国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター
循環型社会システム研究室 室長 田崎 智宏
tasaki.tomohiro(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
029-850-2988

【報道に関する問い合わせ】
国立研究開発法人国立環境研究所 企画部広報室
kouhou0(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
029-850-2308

関連研究報告書

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