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2016年6月16日

受賞のお知らせ ~ 鈴木 武博 主任研究員が日本衛生学会学術総会若手優秀発表賞を受賞

概要

受賞者氏名: 鈴木 武博 (環境リスク・健康研究センター)
賞の名称:  若手優秀発表賞
授賞機関:  日本衛生学会学術総会
受賞年月日: 2016年05月12日
受賞対象:  バングラデシュ住民の血液ゲノムにおけるヒ素曝露濃度依存的なLINE-1 メチル化変化,第86回 日本衛生学会学術総会, 同予稿集 ,71, S231,2016

鈴木 武博 (左:環境リスク・健康研究センター病態分子解析研究室 主任研究員) と 野原 恵子 (右:環境リスク・健康研究センター フェロー)

ひとこと

 東南アジアをはじめ世界各国で天然由来の無機ヒ素の摂取による慢性中毒が発生し、大きな環境問題となっています。本研究では、ヒ素による疾患の予防や早期発見に有用なバイオマーカーを探索する目的で、バングラデシュのヒ素汚染地域の住民の血液ゲノムDNAを用いて、ゲノム不安定性に関与するゲノム領域のDNAメチル化を測定しました。DNAメチル化はDNAに入る修飾の一つで、この領域のDNAメチル化が減少するとゲノムが不安定になり、疾患につながります。本研究の結果、ヒ素汚染地域の住民ではこの領域のDNAメチル化がヒ素濃度依存的に減少することを見出し、この領域はヒ素汚染のバイオマーカーになりうる可能性が考えられました。今後は、この領域のDNAメチル化とヒ素汚染による疾患との関係を検討する予定です。
 今回の受賞を励みに、今後もヒ素をはじめとした化学物質の健康影響評価に貢献しうる研究成果を発信できるように頑張っていきたいと思います。なお、本研究は、国立環境研究所の国際環境研究事業戦略調整費の助成を受け行いました。

リンク

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