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国際共同研究とODA

主任研究企画官 奥村 知一

奥村  知一の写真

 さる3月3日に開かれた国立環境研究所評議委員会において,昨年2月にいただいた研究活動評価に関する提言に対する当研究所の1年間の取り組みを報告した。その中で当研究所で実施している,国際共同研究のテーマを報告した。評議委員会から今後の国環研の進むべき方向として示された,アジア太平洋地域の環境研究のセンターとして名実ともにふさわしい研究所とは,との問題意識からである。

 環境庁において,1年間にわたって検討されてきた「今後の環境研究・環境技術のあり方について」の最終案が現在まとめられつつある。この中でも国際的な貢献,特にアジア太平洋地域に対する研究支援がうたわれている。

 9年度国家予算の科学技術関係経費は相対的に高い伸び率であり,特に特殊法人等における基礎研究推進制度の伸びは8割近い伸び率となっている。

 しかし,国際的共同研究を行うに当たって当面している制度的な問題がある。それは特に開発途上国の研究者と共同研究を行う場合に生じている。

 共同研究に係る予算においては研究者を招聘し,我が国内において共同で研究するための予算は計上されるが,開発途上国においてその国の研究者が研究するための予算は計上されない。地球温暖化の問題に見られるように,開発途上国の研究者がその国において,その国に根ざした研究をすることにより科学的知見を蓄積し,国の政策に反映することの必要性,重大性を考えると,国際的な貢献の観点からは何らかの対応策が講じられる必要があると考える。

 ODA予算に対する全面見直しといった論調が新聞等に見られるようになり,「開発型」援助から「環境保全型」援助への転換が指摘されている。そしてソフトなものへ援助との意見もある。

 環境研究への資金援助はODAの対象として重要な分野になり得ると思う。

(おくむら ともかず)

執筆者プロフィール:

前職は環境庁保健企画課長。大気・水質両規制課長等を歴任。