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環境研究および国立環境研究所のあり方

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 科学技術基本計画が定められ,新産業の創出,地球規模の問題の解決,生活者のニーズに対応した諸問題の解決といった社会的・経済的ニーズに対応した研究開発の強力な推進とともに,基礎研究の積極的な振興という基本的方向が示された。また,科学技術研究開発に予算の特別枠が設けられ,公募型の戦略基礎研究等の制度が動き出すなど,環境に係る研究を含め,国立研究機関,大学等においてこれまでにない形態で研究推進が図られようとしている。

 地球環境問題に見られるように,国内だけでなく国際的な広がりを持って,環境研究の重要性が増してきている現状において,関係の研究予算が充実され,多くの研究機関で,多くの分野の研究者が参加し,環境研究が進められることは非常に望ましいことである。しかし,国際的な視点を持ち,わが国における環境研究を総体的にとらえて評価し,どのように進めていくべきかについては,これまで十分な検討が行われてきているとはいえない。

 地球環境問題,環境リスク対策など,予見的・予防的施策が今後の環境行政の重要課題であることは,不確実・未解明の領域が大きくかつ長期的な課題について調査研究し,将来予測をできるだけ的確に行うことを必要とする。このため,自然から社会・人文科学にわたる広範囲な分野の研究推進がこれまで以上に重要となるとともに,科学的解明の到達点などを絶えず評価し,それらを踏まえた資源の重点的投下するなど,戦略的な研究推進が求められよう。

 今年の4月,環境庁企画調整局に,近藤次郎中央環境審議会会長を座長として,「今後の環境研究・環境技術のあり方に関する検討会」が設置された。検討会では,21世紀初頭を見据えた環境研究・環境技術のあり方,振興ビジョンを8年度末を目途として策定すべく審議が進められている。

 当国立環境研究所においては,本年2月の評議委員会の研究活動評価報告書を受けて,国内的及び国際的,特にアジア太平洋地域の環境研究の中核的機関として飛躍するには何をなすべきか,上述の検討会の審議を見守りながら,当研究所の今後の進むべき方向を,研究を通して具体的に示すことが緊要となっている。

(おくむら ともかず)

執筆者プロフィール:

前職は環境庁保健企画課長として,水俣病問題,有害化学物質対策等を担当。
<現在のテーマ>組織改革後6年が経過し,現状に合わせた適切な軌道修正,運営の改善等を行えるように努めたい。