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2018年12月27日

過去の人口分布の変化とメッシュ人口変化率

コラム3

 コラム2では人口分布変化の数値化について紹介しましたが、実際に全国の市町村の人口分布はどのように変化したのでしょうか。図3は、三大都市圏外の431市(政令市・中核市・特例市を除く一般市)の過去の人口分布の変化について、市の総人口を変化別に示したものです。1980~90年は人口分布均一化傾向ですが、1990年以降は人口分布偏在化を伴って人口が減少した市が多くなっており、人口密度の低い場所で過疎が進んでいることがわかります。

 それでは、このような市内の人口分布の変化はどのようなメカニズムで起きたのでしょうか。人口の変動要因としては、出生・死亡による「自然増減」と転居による「社会増減」に分けられます。そして、自然増減率と社会増減率を合わせたものは、「人口変化率」と呼ばれます。ここでは人口分布偏在化を伴って人口が減少した市(図3の点線枠)を例に見てみましょう。図4は、メッシュの人口密度別に自然増減と社会増減の率を示しています。人口減少下での偏在化は、200人/km2未満のような人口の少ないメッシュにおける「自然減少」が主な要因となっています。

市の総人口の増減と、人口分布変化のグラフ
図3 三大都市圏外の431市における過去の総人口の変化別の人口分布変化
市の総人口変化は、『5年間の人口変化率』が+3%超を「増加」、-3%超を「減少」、±3%以内を「横ばい」としています。また、人口分布変化は、『5年間の人口分布ジニ係数の変化』が+0.01超を「偏在化」、-0.01超を「均一化」、±0.01以内を「維持」としています。
自然増減率と社会増減率のグラフ
図4 2000→05年に集約化を伴った人口減少が起きた一般市における自然増減率と社会増減率

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