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(トピック)  2003年の南極ではオゾン破壊が一層進む−ILAS-IIの観測結果から

2002年12月に打ち上げられたADEOS-IIに搭載されたILAS-IIは,2003年4月から定常運用に移行しています。そこで,ILAS-IIがとらえた最新の南極上空の観測結果を紹介します。

2003年の南極上空成層圏の気温は,オゾンホールが顕在化した1980年以降もっとも低温で推移しています。それに伴い,オゾンホール形成に重要な役割を果たすPSCの大量発生が2003年5月から観測されました。発生頻度は1980年代以降で最大規模となっています。

2003年9月までの観測結果から,2003年の南極ではすでに8月末の段階で約30%のオゾン破壊が起きていることが確認されました。これはこの時季としては過去最大のオゾン破壊です。9月半ばには,オゾン破壊は約60%に拡大しました。

2002年の南極上空のオゾンホールは,1991年以降もっとも小さなものでした。このため,オゾン破壊はピークを越えたとの声も一部には聞かれました。ところが,今回のILAS-IIの観測では一転,2003年の南極では今後大規模なオゾン破壊が起こる可能性を示唆しています。

ILAS-IIが観測した南極上空でのオゾンの高度分布
ILAS-IIが観測した南極上空でのオゾンの高度分布 ILAS-IIが観測した南極上空でのオゾン濃度の平均値(曲線)と標準偏差(横棒)。8月初めの観測値に比べ,それ以降の10日おきのオゾン量は高度13〜21kmで明らかに減少傾向を示し,この高度で南極上空のオゾン破壊が進行していることが確認されました。オゾン破壊は、高度15kmで9月半ばには8月初めの約60%にも達しました。




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