**********************

講演6「黄砂−時の流れと砂の流れと−」

講演者(西川雅高)による回答

Q: 黄砂の潜在的な量としては、何年ぐらい続くものなのでしょうか?

A: まず、質問に対するこちらの理解が間違えているかもしれませんことをお断りします。黄砂の発生量は、よく分かっていません。北太平洋全域に降下する量としては、年間3億トンくらいといわれています。そして、砂漠地帯や黄土地帯の砂がなくなると発生しない、と単純に考えそうですが、そのような地帯での風化現象による微小な砂粒は、日々造粒されていますので、無くならない、ということです。


Q: 黄砂は、どれ位の高さまで飛んでいるのですか?

A: 黄砂がよく通過する高さは2層あって、いわば黄砂の銀座通りというものですが、日本上空で観測する高度は、2〜4km、6〜7kmです。


Q: 黄砂の人為的な発生原因の対策として、具体的にどのようなものがあるのですか?

A: 黄砂が発生する条件は「発生源地の土壌表面が乾いていること」です。ということは、湿っていたり、砂が植物などで被覆されていればよいわけです。人口雨という手段、植林、植草という手段などが充てられていますが、どれくらい効果があるかは、明らかになっていません。今の研究課題の一つです。


Q: 中国の首脳はウジナチで黄砂低減を誓うというお話しがありましたが、具体的に政策として実施する方法はあるのでしょうか?

A: 中国の環境大臣など首脳がウジナチへ行って、人民に決意表明しています。発生源対策として枯れ河時期を少なくするための、黄砂発生源対策を念頭に置いた水源地の水管理、植林の推進、家畜の放牧制限を実施しています。


Q: 黄砂の増加が日本周辺の海の植物プランクトンに与える影響について知りたいです。

A: 黄砂が海に降下した後、数日するとプランクトンの増殖現象が認められるという報告があります。鉄が増殖の制御因子になっているというのが海洋学者のもっぱらの見解で、その鉄の供給源として、大陸から輸送される黄砂(鉄が3〜4%含まれている)にもとめています。大西洋では、サハラダストが供給源です。北太平洋で鉄粉を人工的に撒いて、プランクトン増殖を確認した実験報告があります。

topへ