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第3セッション・第1講演「温暖化を防ぐための社会構造の将来について考える」

講演者(甲斐沼美紀子)による回答
>>講演者発表資料

Q: 4つのシナリオそれぞれへ進む分岐点となる具体的な政策、社会システムとして、どのようなものが挙げられますか?

A: 人々の幸福感とそれに基づく市場での選択及び政治過程での投票行動が、分岐の基本となります。これらに導かれて生産システムや生活環境が市場や公共政策を通じて構築されることになります。


Q: IPCCの報告書で温暖化のシナリオ分析を読み、ずいぶん斬新だと感じたのですが、あのシナリオは国立環境研究所の発案なのでしょうか? それとも他の国の研究者が考えたのでしょうか?

A: 当研究所を含めた国際チームの発案です。国立環境研究所社会環境システム研究領域長の森田恒幸が、IPCCの排出シナリオのリードオーサーとしてシナリオ開発の中心的役割を果たしており、森田を通じて国立環境研究所の研究チームが大きな貢献をしました。また、IPCCの報告書ではシナリオの定量的予測のための参照シナリオとして4つが採用されていますが、AIMはその一つとして、高成長シナリオの参照シナリオを提供しました。さらに、最近出版されたIPCC第三次評価報告書において、対策シナリオ分析は森田がコーディネートしたものです。


Q: 
1)「21世紀に進むべき方向は孫の代が考え、決定することであり、我々はその決定時に必要な科学的データを与える」と締めておられたようですが、誤解でしょうか? 「どれでもいいよ」ではなくて、様々な社会構造についてのデータを示して、「どれが良いかは一目で分かるでしょう?」と暗に示している研究なのでしょうか?
2)研究者はシナリオを出すだけという説明には疑問を感じます。研究者の責任、モラル、研究の方向性も環境研らしさが欲しいと思います。
3)国立環境研究所では、基本的にシナリオなどの机上のみの検討は発表すべきではなく、シミュレーションなどを行ったなら、そのデータ提示のみに止めるべきと思います。前提を明らかにし、その範囲内で一番適切な方法を議論、選択した上で発表すべきであって、結論選択ができなければ発表すべきではないと思います。

A: 上記3つの質問に対してですが、一つのシナリオを強引に押しつけるべきではないと考える理由は、三つあります。第一に、21世紀の行方は環境問題だけで決まるものではなく、他にもいろいろと重要な要因が影響します。第二に、環境問題の解決の道も一つの方向だけでは決してなく、いろいろな道があります。第三に、環境問題の解決を含めて21世紀への道は、我々の世代だけでなく、将来の世代の英知と判断によって切り拓かれるべきものであり、研究者が「この道を選べ」と押しつけるのは問題があります。研究者は、今の世代や将来の世代の一人一人に対して、創造性を増すための豊富な情報を提供すべきだと思います。


Q: 途上国が豊かになると人口の増加が少なくなるとの説明がありましたが、どのようなシミュレーションにもとづくものですか?

A: 今までの歴史的な経過をみれば、人々が豊かになれば、女性の地位が向上したり子供を沢山作らなくても豊かに暮らせるようになることなどにより、女性が生涯に生む子供の数が減る傾向がみられます。このような関係を将来に当てはめてシミュレーションをしています。


Q: 温暖化の程度を分析するために、将来像を4つに分類されていましたが、その仮定(発展シナリオなど)に無理があると思いました。特に高成長や循環型は南北の平等が実現すると述べられていましたが、何を根拠にしているのでしょうか?

A: IPCCでは30名の専門家からなる国際チームを編成し、1年かけて将来像について検討しました。今後、先進国においては賃金が高くなるため、生産コストが高くなるとすれば、多くの産業において発展途上国の国際的競争力が増し、経済発展が促進されます。国際マーケットがしっかりしていれば、発展途上国が先進国においつく可能性は非常に高いと予想されます。


Q: IPCCへの報告書に積極的に関与された割には、現在の温暖化国際会合への(行政への)働きかけが弱いのではないでしょうか? 自分達は研究者だから関係ないと考えておられるのではないでしょうか? 後悔しない対策の策定が課題ではないでしょうか? (”あわてず”知見を整理するだけで良いとするなら残念です。)

A: 国際会合に行って働きかけをするだけが社会に貢献することとは思いません。しっかりした研究があってこそ、国際的合意も成立するのです。我々の研究は、日本の政府だけではなく、外国の政府や国際機関が参照して、政策決定の判断材料になっています。また、地球温暖化は百年の対策が必要ですので、しっかりした科学的基礎のもとに、長期的に耐え得る対策を立てていくことこそ必要だと思います。


Q: 地球温暖化が進んでいることは、IPCCの報告から明らかです。しかしながら、COP6を見てもわかるとおり、温暖化問題は、環境問題ではなく、政治・経済問題と化しています。ブッシュ大統領のみならず、小泉首相の発言をみてもわかるとおりです。国立環境研究所が、温暖化問題を人類の将来において放っておけない重大なものと考えるなら、温暖化問題に関し、世論を盛り上げるため、緊急性・重要性をマスメディアを通して強く訴えるべきではないでしょうか?(ダイオキシンなどの環境ホルモンの問題も、さまざまな研究者がマスメディアを通して強く訴えたから、世論を動かし、政治を動かしたのではないか。) 温暖化により人類の未来に危機を及ぼすと環境研究所が考えるならば、その危険性を強く国民に訴え、世論を盛り上げるような方策をとることはできないのでしょうか?

A: 世界的にも温暖化に対して様々な取組みがなされています。甚大な影響は50年あるいは100年後に影響が現れるため、不確実性を理由に、対策を先送りにした方がよいという意見がみられますが、影響が現れてからでは遅いので、当研究所を含めて、様々なところで積極的に対策の必要性を訴えております。


Q: ブッシュ政権が「京都議定書」より離脱を表明し、その理由の一つに科学研究の成果に疑問があり、それをすすめる必要がある旨新聞に出ていたように思いますが、具体的にはどういうことをさしているのでしょうか?(もちろん、離脱の理由は、アメリカ産業界の思惑、発展途上国との関係等いろいろあると思いますが。)

A: 地球温暖化問題は、多くの科学的不確実性が存在しています。どのくらい気温が上昇するか、それによってどのような影響が出てくるかなど、さらに研究を進めていかなければならないことが沢山あります。このような不確実性を理由に、対策を先送りにした方がよいという意見がみられますが、今までの歴史を見ると、対策が手遅れになって取り返しのつかない不幸な結果を招いた事例は数多くあります。このため、科学的に不確実さは残っていても、科学の総力をあげて見通しをたて、できるだけ早い対応をとる必要があります。このような考えにたって、京都議定書が合意されました。


Q: 気候変動を扱うとき、日本ではなぜ「気候変動=温暖化」とするのでしょうか? 世界的にはどうでしょうか?

A: 「温暖化」とは気温が上昇することを意味し、「気候変動」は温暖化だけでなく、それに伴って雨の降り方や風の吹き方が変わったり、温度の変化の大きさが変わったりすることも含む広い概念です。日本で「気候変動」よりも「温暖化」という用語が使われる訳は、気候変動と言う用語が、都市のヒートアイランドやエルニーニョの様な短期的な気象の変化と混同されやすいからだと思われます。


Q: 温暖化と異常気象とはどのように区別するのでしょうか?(例えばフェーン現象など。)

A: 「異常気象」は、過去数十年間(例えば30年)の平均的な気候の変化幅から外れた気象を指します。「過去100年の気象観測に基づくと、30年に一度生起する高温」であるとか、「ここ50年で最も大きな台風」といった客観的な気象状態を指す場合もあれば、「人間に多大な被害を及ぼした例年になく暑い夏」といった主観的な示し方もあるようです。いずれにせよ、平均的な状態と比べれば「異常」ですが、気候システムそのものの変化を示す言葉ではありません。これに対して、温暖化(気候変化)は、気候システムの変化により、地球の平均的な気候が変化する現象です。温暖化により、「異常気象」が増加する可能性は大いにあります。
「フェーン現象」は異常気象ではなく、地形が原因の気象現象と分類されるかと思われます。ただし、フェーン現象により「異常気象」として認識される位、平年より暑くなることはあると思います。


Q: シミュレーションの計算はどのような方法で行っているのでしょうか?

A: シミュレーションは排出モデル、気候モデル、影響モデルを組み合わせて行っています。排出モデルは、市場均衡を基本にして長期的な経済活動の推移を予測する経済モデルと、各種の技術の導入を考慮してエネルギー消費量等を部門別に積み上げて推定する最終需要予測モデルとを組み合わせて行っています。気候モデルは、大気化学反応、海洋交換、放射加熱、炭素循環、フィードバック、気候変化等の要素を加味して行っています。影響モデルは気候モデルの結果を基に、水資源変化、植生変化、健康影響、農業影響などを個別のモデルを使って予測しています。


Q: ある統計によると、CO2排出は家庭や日常の生活に基づくものが多いということですが、全CO2を削減するためのシナリオの中に生活に関する意識や方向をどう変えるべきなのかについて検討経過があれば示してください。二酸化炭素を減らす為にはどういった事が必要になるのでしょうか?

A: IPCCのシナリオでは、循環型社会シナリオが特に環境意識や社会の変化を重視しています。自然資源の利用による伐採、土壌劣化、魚の乱獲、地球レベル及び地域レベルの汚染などへ関心が高まると想定しています。これにより、クリーンな技術の導入が高まるとともに、省エネが促進されます。環境教育も大きな役割を果たします。家庭での対策としては、住宅の断熱性能の向上、省エネ家電機器の導入、家電機器の使用頻度の短縮、資源ごみのリサイクル、自動車のアイドリングストップなどが有効です。


Q:京都議定書の目標を日本(6%削減)は達成できるのでしょうか?(温暖化に対して何も対策をしない場合の将来のCO2排出量モデルでは達成できないとの内容でしたが、何も対策をしないモデルを作成してもナンセンスであると思います。もっと具体的かつ実現的なモデルを示すと共に、6%削減が達成できるかできないかを答えて欲しい。)

A: 対策シナリオは検討しています。まず、対策をしない場合にどの程度の温室効果ガスの発生量が見込まれるかを予測し、次に、京都議定書を達成するためにはいくら削減する必要があり、費用はどの位か、また、対策が経済に与える影響はどの程度かを予測しています。国立環境研究所で開発しているモデルは様々な政策オプションの評価を目的として開発したものであり、6%達成するために必要な対策についての提言はできますが、今後どういった社会に進むのか、どういった政策が実行されるかは、最終的には個々人の行動にかかってきます。


Q: 節電等を行った場合の効果はどのように計算すべきでしょうか? 火力発電所分で計算すべきか、原子力まで含めたデータのCO2排出係数で計算すべきでしょうか?

A: 電力の排出係数としては、原子力まで含めたデータを利用する必要があります。日本の電力の排出係数は、1990年、1998年それぞれ0.391gCO2/Wh、0.326gCO2/Whでした。


Q: 北半球の高緯度地域ほど地球温暖化による温度上昇が大きくなるというのは多元化社会だけに当てはまることですか? また、なぜその地域で温度上昇が大きくなると考えられるのですか?

A: 多元化社会だけではなく、一般的に北半球の高緯度地域が高くなります。理由の一つとしてアルベト(地面の反射率)の変化があげられます。氷がとけて地面が現れることにより、反射率の高い白色から反射率の低い色(茶色など)に変化するため、熱を吸収しやすくなり、より温暖化が進むと考えられています。加えて、北半球高緯度の陸地比率が高いことが理由として挙げられます。


Q: 温暖化防止を目指すならば、せめて、現在と同じ水準の気温を維持するためにどうすべきであるかを考えるべきではないでしょうか?(2100年の予測をする際に、気温が2℃上昇することを前提にシミュレートしていましたが、よく理解できません。)

A: 気温が2℃上昇することを前提にシミュレーションはしていません。シミュレーションはまず、二酸化炭素排出量の予測を行い、その予測に基づいて気温上昇を予測しています。各シナリオに対応した温度上昇の図を参考のため示しました(図1)。これは、排出削減対策を取らなかった場合のベースシナリオです。気温上昇を抑えるために対策を取った場合のシミュレーションは別途行っています。大気中の二酸化炭素濃度を現在の360ppmに下げるまで、排出量を抑制することは容易ではありません。一つの目標として550ppm安定化シナリオを取り上げました。大気中の二酸化炭素濃度を550ppmに安定化した場合、今より気温が2100年に2℃上昇すると言われています。勿論、この排出量が最終目標ではありません。


Q: 気温が何℃上がると海面がどのくらい上昇するのでしょうか?

A: 今回説明したシナリオと海面上昇の関係を図2に示します。まだまだ、不確実な要素があり、研究が進行中の分野です。気候モデルが異なれば結果も違ってきますが、現在の知見では、気温は1.4から5.8℃、海面上昇は9から88cmと推定されています。


Q: 地球の温暖化の分布を見たとき、赤道付近の温暖化、北方地域の温暖化が考えられると思いますが、そのときの環境はどうなるのでしょうか?

A: 位置によって温暖化の程度は異なりますが、また、影響の程度がどのようなものなのかというご質問と受け取りました。国立環境研究所では、水需要、農業影響、健康影響なども予測しています。図3にイネの潜在生産性の変化を予測したものを示します。イネの潜在生産性に関しては、赤道付近に大きな影響があります。


Q: なぜ、これほど海面上昇が取り上げられるのでしょうか?(温暖化問題の一般的な認識として、映画「A.I.」などに出てきた海面上昇など、カタストロフ的な面が強調されていますが、実際のところ、問題なのは水資源の問題や、気候変動が深刻なテーマであり、現実問題として南極大陸の氷が溶けることが海面上昇につながると思われます。しかし今回のシミュレーションでは、南極の気温上昇はそれ程高くなかったと記憶していますが。)

A: 21世紀中の海面上昇の多くは、海水が温まって膨張することにより生じるもので、このまま温暖化が進むにしても、南極の氷が大量に溶けるのは22世紀以降の話になります。海面上昇は100年間で1メートル以下と推計されているのに大きな問題として取り扱われる訳は、島嶼部の国々や平均標高の低いバングラデシュの様な国々において、少しの海面上昇でも多くの被害が予想されることと、土地の消失のように被害を回復することが非常に難しいこと、の2つの理由によります。


Q: 2100年の気温は世界的に平均5℃上昇するとの報告があり、これは地域毎に考えると15℃にも及ぶ地域があるとの事で、非常に驚いています。私は平均気温上昇5℃は非常に危機的な状況であると理解していますが、この数値は大きく取り上げられるべきなのではないでしょうか?

A: ご指摘の通り、平均気温が5℃も上昇するというのは危機的な状況です。我々人類が将来の選択を誤ると、このような最悪のケースも予想されます。このため、5.8℃の上昇という推計結果が頻繁にマスコミで取り上げられています。


Q: 様々なシミュレーションの中で、原子力・太陽エネルギー等へのエネルギー転換でCO2発生が抑制されるとのコメントがありました。これらの転換をした際のLC的な配慮がどこまでされたうえでのシミュレーションなのでしょうか?(例えば、濃縮ウラン原料を作る過程でエネルギーの投入量が大きいとの意見もある。)

A: このような大規模なシミュレーションでは、LC的にみて大きな見落としがないようにチェックがされています。従って、大まかにみてLC的な配慮はされていると言えます。


Q: 「地球温暖化→ 極地の永久凍土の融解→ メタンガスの発生→ 温度上昇」というプロセスは、シミュレーションに加算されているのでしょうか?

A: このような現象はフィードバック効果と呼ばれ、他に、温暖化により砂漠化が進んで温度上昇が加速するといった現象などがあります。最近のシミュレーションではこれらのフィードバック効果を幅広く加算するようになってきています。


Q: 緑地におけるCO2の固定能力はどのくらいの値でしょうか?(工場の緑地等、森林の分を合わせて教えて下さい。)

A: 工場の緑地化では、バイオマス固定を目的とすることから、表1で示した森林の蓄積速度の数値が参考になるでしょう。日本は温帯気候にあたり、目安の数字としては年間1haあたりの炭素蓄積量は約3t以下になります。ただし、この数値は樹種、土地、生育条件などにより異なるため、実際に行うときには詳細な検討が必要になります。ちなみに穀物の反収は先進国で平均約5t/ha/年です。

表1 森林の炭素の蓄積量・蓄積速度(単位t-C/ha/年)[1]

気候

成熟林蓄積量

成長年数

蓄積速度

t-C/ha

t-C/ha/年

亜寒帯

85

60

1.41

温帯・亜寒帯平均

100

50

2.00

温帯

115

40

2.88

熱帯・温帯平均

133

30

4.42

熱帯

150

20

7.50

注:丸太1t-Cはバイオマス2.0BD-t(2.5AD-t)、さらにバイオマス1AD-tは15GJに相当するとした。(BD:bone-dry、絶対乾燥、含水率0%、AD:air-dry、空気乾燥、周囲の湿度)
参考文献
[1]山地憲治、山本博巳、藤野純一 "バイオエネルギー"、ミリオン出版(2000)


Q: 緑化によるCO2吸収の結果を推定する数式がありますか? また、産業廃棄物・一般最終処分場(埋立地)は緑化候補スペースと考えても良いのでしょうか?(社会に必要な産業廃棄物・一般処分場にプラスのイメージを加える尺度として利用したい。)

A: CO2吸収の結果を推計する数式として、次のものがあります。
年間CO2吸収量=単位面積あたり年間CO2吸収量×対象緑化面積
単位面積あたり年間CO2吸収量は緑化する種類、土地などの周辺環境、施肥などの育成条件などにより大きく異なり、一概に種類だけを与えて求めることはできません。
 処分場や埋立地を緑化することは可能です。たとえば生ごみ処分場において遮水シートを張り、芝生などで緑化する事例は既に日本でも行われています。直接緑化する場合は、水質汚染、土壌汚染問題が生じるため、現在諸機関で研究中です。


Q: COP6においては森林吸収分も含めて議論されていますが、その中でCO2排出は炭素換算でCO2何トンと表示されているのに対して、CO2吸収はどのようにして算定されたのでしょうか? また、針葉樹と広葉樹の算出は同じなのでしょうか?

A: ご指摘のとおり議論の多い点であり、正確な算定方法について、現在COPで話し合いが続けられております。一般的な算定は、森林面積に成長率をかけ、樹木の総重量を求め、これに炭素分となる係数をかけて、森林の成長による増分が計算されます。この増加分からバイオマスの消費量を差し引いた値が実際の森林による吸収量です。針葉樹と広葉樹につきましては、森林密度の違いが考慮されています。


Q: 温暖化を左右するエネルギー問題に関して、自然・再生可能エネルギー、バイオマス、太陽、風力、地熱、波力の稠密な研究を行ってほしいと思います。エネルギーの選択は中央が行うのではなく、地域性を加味した選択を行っていくべきであり、社会モデルとしては「地域循環型」が良いと思います。

A: 今後の研究の方向を考えるうえで、参考にさせて頂きます。


Q: 原発を否定できないような研究(調査、解析)ではアナリストとは言えないと思います(単なる自己主張と自己満足ではないでしょうか?)

A: 最初から原発を否定すべきだという価値観を前提にすると、研究ではなくなります。従ってこのような質問には答えようがありません。


Q: 原子力発電所を現在以上(例えば、全使用エネルギーの40%、45%)に利用した場合の経済コスト(高レベル廃棄物処理を含めることが必須)はどの程度でしょうか?

A: 多くの新エネルギーは将来的にコストが下がってくるため、原子力は全体的にマーケットに導入されにくくなります。但し、エネルギーの需要が急激に増大したり、二酸化炭素を著しく削減する状況においては、原子力で対応せざるをえない状況になる可能性はあります。


Q: バックグラウンドのデータを示してください。

A: IPCC/SRESSシナリオに関しましては下記ホームページをご参照下さい。

http://sres.ciesin.org/ (IPCC排出シナリオに関する特別報告書の紹介)
http://sres.ciesin.org/final_data.html (データ集)


Q: CO2による地球温暖化に対処するため、独立栄養生物によるCO2吸収量を斟酌するとすれば、地上においては単位面積当たり、海中においては単位体積当たりのCO2吸収量とその総面積または総体積はどれだけなのか教えて下さい。また、人為的に排出するCO2量の理論的根拠も同時に教えて下さい。

A: 炭素の存在量は2001年のIPCCのレポートでは、自然での炭素の循環は以下のように報告されています。
大気: 7,300億炭素トン、
植物:5,000億炭素トン、土壌と有機堆積物:15,000億炭素トン
海洋:380,000憶炭素トン
となっています。
また、炭素収支は下記のように報告されています。

単位:億炭素トン

1980年代 1990年代
大気中濃度の増加 33±1 32±1
人為起源の排出(化石燃料、セメント) 54±3 63±4
海洋−大気間の移動 -19±6 -17±5
陸−大気間の移動 -2±7 -14±7

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