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ディーゼル排気は
肺・循環機能を損なうか

PM2.5・DEP研究プロジェクト 毒性・影響評価研究チーム

ディーゼルエンジンからの排気(DE)にはガスの他にディーゼル排気微粒子(DEP)が含まれます。
このDEやDEPは肺や循環機能にどのように影響するのでしょうか?

ディーゼル排気(DE)は、ぜん息や慢性気管支炎などの呼吸器病を引き起こしたり、花粉症などのアレルギー性疾患を悪化させることが分かってきました。
最近になり、大気中の微粒子が心・循環器系疾患と密接な関係があることが疫学調査によって示されました。そこで、我々は、呼吸器だけでなく、循環機能の変化にも焦点をあてて、DEやDEPの生体への影響を調べています。

ディーゼルエンジンと曝露チャンバー

 ディーゼル排気の健康影響を検査するために、コンピュターで制御されたディーゼルエンジン(図-1)とその排気ガスを動物に曝露するチャンバー(図-2)が必要です。研究所では種々の状態で稼動できるエンジン装置と、1度に4種類のDEP濃度で動物に曝露できるチャンバーを維持しています。

図1 ディーゼルエンジンと排気ガス発生装置

図2  動物曝露用チャンバー

肺への影響

 図-3は、環境基準の3倍、10倍、30倍のDEPを含むDEをラットに9ヶ月間曝露したラットの肺の写真です。ピンク色をした曝露していない肺(control)に比べて、曝露した肺は、DEPの濃度に応じて黒い斑点が増加し、肺の縁が黒くなっています。さらに、顕微鏡で拡大しますとディーゼル微粒子が肺内に入っているのがわかります(図-4)。
図3 DEPに9ヶ月間曝露したラットの肺
ControlDEPに曝露していない肺
0.3mg/m3環境基準値の3倍
1.0mg/m3  〃  の10倍
3.0mg/m3  〃  の30倍
図4 肺の組織像

循環器への影響

 ラットをDEPに曝露して、定期的に心電図の検査をしますと、図-5、図-6のような異常な心電図波形が観察され、DEが心臓などの循環機能に影響する事がわかりました。しかし、そのメカニズムは解明されていません。

図5: 異常な心電図波形 (1)


図6: 異常な心電図波形 (2)

研究の概括

 そのため、ディーゼル排気微粒子の肺・循環機能への影響を明らかにするために、細胞レベルの研究、組織レベルの研究、臓器レベルの研究、そして個体レベルの研究を組み合わせて研究を進め(図-7)、より良い、安全な大気環境の創造に貢献していきたいと願っています。

図7: 研究の概括図
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