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2016年11月30日

2nd International Workshop on Heterogeneous Kinetics Related to Atmospheric Aerosolsが開催されました

2016年11月12~14日に第2回大気不均一反応国際ワークショップ(主催:分子科学研究奨励森野基金、国立環境研究所、名古屋大学宇宙地球環境研究所)を、つくば国際会議場にて開催しました。本研究所の地域環境研究センター、環境計測研究センター、地球環境研究センターが事務局を務めました。

大気エアロゾルは大気汚染や気候変動において重要な役割を果たしています。近年、エアロゾル粒子表面や液相中での不均一反応も、大気汚染や気候変動に対して重要な影響を及ぼしているという証拠が増えてきました。ところが、野外観測、室内実験、およびモデル計算に基づいて得られる不均一反応の証拠にはまだ互いに矛盾しているところがあり、理解が十分とは言えません。このワークショップの目的は、大気不均一反応に関する研究成果の情報交換を行い、大気汚染や気候変動に対する大気エアロゾルの役割を理解する上での不明点を明らかにし、重点的に研究すべき項目や今後の共同研究について議論することです。

このワークショップは、昨年北京で第1回目が開催され、今回2回目を迎えました。今回のワークショップでは、基調講演(1~2日目)・招待講演(1~2日目)・general discussion(2日目)が行われ、ほかにも懇親会(1日目)・国立環境研究所実験施設見学(3日目)・エクスカーション(3日目)が企画されました。参加者は48名で、日本、中国、米国の他、シンガポール、スイス、台湾、トルコ、香港からの参加がありました。

基調講演については、Veronica Vaida氏(コロラド大学ボルダー校)とKevin Wilson氏(ローレンスバークレー米国立研究所)の両名にお願いしました。Vaida氏には、大気中の気液界面で起こる化学反応に関する研究について、Wilson氏には、有機エアロゾルや雲粒の表面反応に関する研究についてご講演いただきました。

招待講演は全部で26件ありました。何人かの参加者に感想を伺ったところ、光学顕微鏡による氷晶の表面融解に関する佐崎元氏(北海道大)や凍結による液相反応の加速現象に関する竹中規訓氏(大阪府大)のご講演が好評だったようでした。General Discussionでは、持田陸宏氏(名古屋大)が現在申請中の日本における共同研究の研究計画について紹介するとともに、各国での取組に関する情報交換が行われました。

懇親会が会場内のレストランで行われ、参加者はさらに交流を深めました。本会議終了後の3日目には国立環境研究所実験施設見学が行われました。谷本浩史氏(地球環境研究センター)による国立環境研究所の大気化学研究に関する説明に続き、大気モニター棟、大気化学実験棟、およびナノ粒子健康影響実験棟で施設説明が行われ、参加者は熱心に質問していました。3日目の午後にはエクスカーションとして、筑波山山頂を訪れました。天候にはあまり恵まれませんでしたが、海外からの研究者を中心に10名以上の参加がありました。

ワークショップでは、会期全体を通して熱心な議論が行われました。会議の最後にはZhu Tong氏(北京大学)が次回の開催意思を表明しました。一連のワークショップをきっかけとして、国内外の大気不均一反応研究がより一層発展することを期待したいと思います。


集合写真(つくば国際会議場にて)

広域大気環境研究室 佐藤圭

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