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2014年9月30日

環境疫学を知ろう!3コホート研究

コラム3

コホート研究

 コホートという言葉は元々、古代ローマの軍隊の数百人程度の兵員単位を表すもので、転じて、ある共通の性格を持つ集団の意味で使われています。疫学におけるコホート研究は、同じ地域に住んでいる、同じ職業を持っている、同じ年に生まれたなど、共通の特性を持つ集団を追跡して、その集団からどのような疾病が発生し、また健康状態が変化したかなどを観察して、各種要因との関連を明らかにしようとする研究です(図3)。

図3
図3 コホート研究のイメージ図 -環境汚染物質の健康影響に関する疫学研究の場合-

 ある時期にある地域で生まれた子どもを対象としたコホート研究を「出生コホート研究」と呼ぶことがあり、エコチル調査もその一種といえます。

 コホート研究の長所は、要因と健康状態の変化・帰結の関連性を検討する上でバイアスが入りにくいことや、複数の健康状態の変化・帰結(病気の発生など)との関連性を評価できることなどが挙げられます。コホート研究の基本は前向き調査で、さまざまな要因を調査開始時に把握し、時間の流れに沿って、健康状態の変化などを追跡して調べることです。こうすると健康状態の変化や疾病が発生してから後ろ向きに遡って調べる際に生じやすい思い出しバイアスなどを防げるというメリットがあります。

 一方、短所は、研究にかかる労力や費用が膨大であること、稀な健康事象の場合には研究実施が困難となる場合や、実施する場合にも非常に多くの対象者が必要なことです。

 さらに、前向き調査は、長い調査期間が必要なために、結果が得られるまで10年以上もかかることは稀ではありません。ただ、長期大規模コホート研究によって、人々の健康に関わる要因が明らかとなり、生活習慣病をはじめとして、疾病予防に効果を上げている例はたくさんあります。

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