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セイリング型洋上風力発電システム構想
- 海を旅するウィンドファーム

環境儀 NO.34

植弘崇嗣/内山政弘
クリーンでエネルギー収支比の高いセイリング型洋上風力発電システムの研究と基本設計を行いました。

 地球温暖化を食い止めるには、二酸化炭素の排出量を大幅に削減しなければなりませんが、日本では、一次エネルギーの80%を二酸化炭素の排出量が多い化石燃料が占め、この見直しが急務となっています。他方、近未来に化石燃料資源が枯渇し、石油・天然ガス価格の世界的高騰が避けられないと予測されています。

 国立環境研究所では、この問題をエネルギーの観点からとらえ、化石燃料の使用を抑制する省エネルギー化はもちろん、エネルギーの生産方法を工夫してクリーンエネルギーを活用すべきと結論付けました。クリーンエネルギーとして何を取り上げるか?を考えるにあたっては2つの視点を設定しました。1つは自然の力を「奪う」のではなく「借りる」こと、つまり、自然のエネルギー循環を乱すようなものは使わないという点です。もう1つは「お金」よりも「環境とエネルギー」という視点、すなわち、化石燃料との価格競争よりもエネルギーコストや環境コストから判断すべきであるという点です。

 クリーンエネルギーを生産する技術の開発にあたっては、既に実用化されているものからまだ研究段階のものまで、あらゆる代替エネルギーを比較検討し、資源持続の可能性とエネルギー収支比(EPR)の高さを併せ持つ移動式の洋上風力発電システムを検討対象としました。大学、産業界の協力をいただき、風車11基を搭載し、4ノットで帆走する、全長1880m幅70mの巨大浮体モデルの基本設計をしました。

 今号では、このセイリング型洋上風力発電システム構想の研究成果と実用化に向けての課題などについてご紹介します。


・本研究に関する成果は以下のページの「海を旅するウィンドファーム -セイリング型洋上風力発電システム-」で紹介されています。