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「北太平洋の海洋表層過程による二酸化炭素の吸収と生物生産に関する研究」の全体構成

課題1:海洋炭酸系測定の高度化に関する研究(平成8〜12年度)

1.船上CO2分圧測定装置の開発改良と測定法間誤差要因の解明

 海水CO2分圧測定の正確さを高めるために,水産庁水産工学研究所の大型室内海水プールを用いて,国内研究機関の測定装置を持ちよって相互比較実験を行い,これを踏まえて,北米航路定期貨物船上で測定したデータの正確さを精密に検討した。

2.全炭酸・アルカリ度の測定法間誤差要因の解明

 主に太平洋の海水中の全炭酸とアルカリ度の測定を行っている各国の研究機関が参加し,1999年と2000年の2回にわたって,共通試料を測定する相互比較実験を行った。

 北太平洋北緯15度以北における平均的な大気から海洋へのCO2フラックスを海洋表層CO2分圧と風速から求めた。また,その推定を,より観測の容易な他の海洋パラメータから行うことをめざして,データ解析を行った。

課題2:海洋表層CO2分圧と海洋パラメータの定量化に関する研究(平成8〜12年度)

 北太平洋北緯15度以北における平均的な大気から海洋へのCO2フラックスを海洋表層CO2分圧と風速から求めた。また,その推定を,より観測の容易な他の海洋パラメータから行うことをめざして,データ解析を行った。

課題3:表層炭酸物質の変動と海洋生物生産の影響に関する研究(平成8〜12年度)

 三陸沖東経144度を中心とする黒潮域から親潮域にかけて,表層の炭酸ガス分圧の連続分布調査を行い,生物生産を中心とする季節変動要因について解析した。

課題4:高頻度観測データを利用した北太平洋の海洋表層CO2分圧の時空間分布のモデル化に関する研究(平成8〜12年度)

 定期貨物船による北太平洋高緯度域のCO2分圧観測のデータを解析し,海域のCO2分圧分布図を作成し,その海域のCO2吸収フラックスを見積もった。海域での物理過程,生物過程によるCO2吸収プロセスについて考察した。

課題5:大気,海洋のCO2の同位体測定および酸素/窒素比測定による炭素循環の解明に関する研究(平成8〜12年度)

 海洋上バックグラウンド大気での炭素同位体比や酸素濃度変化の長期間変動観測を行い,大気中のCO2の収支,陸域と海洋のそれぞれの吸収源強度を推定した。

課題6:アジアー太平洋地域の大気二酸化炭素等の観測に関する日豪共同研究(12年度)

 オーストラリアを含むアジア太平洋域8カ国の同位体比を測定している研究者のワークショップを開催した。各国研究者にCO2の共通試料を配布し,同位体測定に関する測定偏差を検討した。

 この研究は平成8〜12年にかけて,地球環境研究総合推進費課題として,以下の組織・スタッフ(当時)により実施されました。

研究担当者

  • 地球環境研究グループ
    •向井 人史,野尻 幸宏,町田 敏暢
  • 大気圏環境部
    •遠嶋 康徳,高橋 善幸
  • 化学環境部
    •横内 陽子,植弘 崇嗣,柴田 康行,田中 敦,米田 穣
  • 地球環境研究センター
    •井上 元
  • 共同研究機関
    •東北大学理学研究科:大気海洋変動観測研究センター
    •資源環境技術総合研究所:環境影響予測部海洋環境予測研究室:環境影響予測部広域域間環境研究室
    •中央水産研究所海洋生産部物質循環研究室
    •東海大学海洋学部海洋工学科
    •名古屋大学大気水圏科学研究所