- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1012CD010
- 開始/終了年度
- 2010~2012年
- キーワード(日本語)
- 経済統計学
- キーワード(英語)
- Econometrics
研究概要
本研究の目的は,分位点回帰モデルに対して,(1) シミュレーションによる新たな推定方法の開発,(2) 新たな分位点回帰モデルの開発,(3) 現実の経済問題への応用を行うことである.
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:政策研究
全体計画
(1) 分位点回帰モデルに対する統計的分析手法の開発
分位点回帰モデルの推定では,主として線形計画法が用いられてきた.しかし,この方法ではいくつかの推定上の問題があるため,本研究では新たにシミュレーションによる推定方法(主としてマルコフ連鎖モンテカルロ法)の開発を目指す.
(2) 分位点回帰モデルの拡張ならびに新たなモデルの開発
本研究では,計量分析でよく用いられる時系列データ,パネルデータ,質的データを取り上げ,それらに対する分位点回帰モデルの作成を行う.時系列データについては,状態空間モデルを利用することによって,時系列構造を取り入れた分位点回帰モデルの構築を試みる.パネルデータについては,変量効果を伴う分位点回帰モデルを基本とし,動学的モデルへの拡張ならびに打ち切りデータに対するモデルの開発を行う.質的データに対しては,潜在変数を利用したモデルの定式化を考え,新たな分位点回帰モデルの開発を行う.先に述べた統計的分析手法の開発と併せて,分位点回帰モデルに対する実用的な計量分析の枠組み提供することを目指す.
今年度の研究概要
分位点回帰モデルに対する新たな推定方法およびパネルデータモデルの開発を行うため,既存研究においてどのような推定方法やモデルが提案されたかを精査し,既存研究の問題点を明らかにする.また,関連する実証研究についても調査を行い,どのような研究成果が得られているのかを整理する.
クロスセクションデータに対する分位点回帰モデルを取り上げ,このモデルに対する新たな推定方法の開発を行う.そのために,先行研究による分位点回帰モデルの定式化を見直す.本研究では,非対称ラプラス分布を用いた定式化を利用する計画である.
備考
本研究は、神戸大学古澄英男教授を研究代表者とし、下関市立大学森邦恵准教授、千葉大学各務和彦准教授との共同研究である。
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動