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有効性評価に資するシナリオ分析モデルの開発(令和 2年度)
Development of global scenario model for effectiveness evaluation of the Minamata Convention on Mercury

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) S?-6
研究課題コード
2023BA001
開始/終了年度
2020~2023年
キーワード(日本語)
水銀,水俣条約,気候変動対策,シナリオ分析
キーワード(英語)
mercury,Minamata convention,Climate change measures,Scenario analysis

研究概要

水俣条約の履行により、水銀の採掘量や使用量の削減、水銀による環境汚染の防止等が期待されている。しかし、アジア・アフリカ地域での急速な人口増加や経済発展などの社会変化に伴って、各国・各地域の経済活動を支える鉱石(鉄鉱石、銅鉱石など)や石炭など水銀を含有する鉱物資源の利用拡大に起因する水銀排出量の増加が依然として懸念される。また、履行の為の対策技術の導入等が、負の側面として、他資源の利用やその利用に起因する他の課題を誘発する可能性も懸念される。
 この背景を踏まえ、本研究では、世界全体を対象として 国・地域別の人為的起源による大気への水銀排出量の動態の将来推計を可能とするシナリオ分析モデルを開発し、将来の水銀排出シナリオを定量的に描く共に、有効性評価に資する定量的・定性的な学術的知見の提供を目指す。本テーマは、以下の2つのサブテーマで構成する。

サブテーマ(1) 資源の採掘活動 ・利用等に起因する水銀量のグローバル・シナリオモデルの開発設計と解析
サブテーマ(2) ライフサイクル思考に基づく対策技術の導入に伴うトレードオフの解析

サブテーマ(1)では、 資源の採掘活動に起因する水銀量等を含めて、世界全体での現状の水銀の動態の把握および水俣条約の履行を含む将来の複数の社会経済シナリオ条件の下での水銀の動態の変化の把握を念頭に、グローバル・シナリオモデルの設計を実施する。また、同モデルを適用することにより、気候変動枠組み条約パリ協定で定められた 2℃目標を達成しつつ、同時に水俣条約に基づいた水銀排出削減にむけた国・地域別の水銀排出シナリオを定量的に描く。加えて、サブテーマサブテーマ(2)では、では、ライフサイクル思考を適用するライフサイクル思考を適用することで、水俣条約を履行する為の対策プロセス等の導入に伴うトレードオフの有無を未然に把握すると共に市場への影響を定量化する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

サブテーマ(1)
<2020年度>
技術選択モデルおよび物質フロー・サプライチェーンモデルを改良・拡充することで、将来の水銀排出量の推計を可能とする?グローバル・シナリオモデルの開発に取り組む。また、?水銀動態に関する物質フロー・サプライチェーン情報の整備に注力する。並行して、?シナリオ情報の整備として、水俣条約の履行に関わる技術や水銀の排出挙動の変化に関わる気候変動の対策技術の情報収集とパラメータの整備に取り組む。また、パラメータ等のシナリオ分析に必要な情報の共有を含めてモデルの連携(ソフトリンク)を進める。
<2021年度>
モデルの開発・データ整備およびモデル間の連携を継続して進めつつ、?a各国の経済成長や人口増加などの将来の社会変化を想定したなりゆき水銀排出シナリオ(ベースラインシナリオ)の定量化に取り組む。また、テーマ1(1)およびテーマ2(2)から提供される将来推計に必要な基礎的情報(将来技術・対策、排出係数など)をもとに、各種パラメータの整備・精緻化やモデルへの実装に取り組む。そして、?b気候変動枠組み条約及び水俣条約の履行の為の対策(技術・システムなど)等の導入を想定した将来の水銀排出削減シナリオ(対策シナリオ)の定量化に取り組み、テーマ3に暫定結果を提供する。
<2022年度>
グローバル・シナリオモデルによる推計結果を精査することで、モデルおよびパラメータの精緻化等に取り組む(?フィードバックの実施)。また、テーマ1サブテーマ(1)から更新提供される基礎的情報(将来技術・対策、排出係数など)を用いて、気候変動枠組み条約及び水俣条約の双方の履行を考慮した削減対策の組み合わせを考慮し、最適な水銀排出削減シナリオ(対策シナリオ)を探索する。そして、テーマ3サブテーマ(1)に国・地域別の水銀排出量に関する推計結果の情報を提供する。

サブテーマ(2)
<2020年度>
初年度は、水俣条約履行のための対策技術を抽出する。代替技術の具体例として照明、電池等の製品、小規模金製錬、化学工業を、水銀除去技術の具体例として石炭火力、鉄鋼・非鉄製錬、セメント生産を対象とする。後者についてはテーマ1と連携する。 上記対策技術を対象として,国内プロセスについてはIDEA(Inventory Database for Environmental Analysis)を、国外についてはEcoinventを参考に、水銀排出量を含む推計に必要なインベントリデータのプロトタイプデータベースを整備する。
<2021年度>
次年度は、インベントリデータの精緻化・拡充を行う。不足データについては論文調査あるいは材料科学的知見による推定を行う。また、CO2排出量を中心とする地球温暖化係数,採掘活動量として関与物質総量(TMR)を整備する。これらの情報をもとに、各種の対策による水銀の排出量・使用量の削減とこれら環境影響指標とのトレードオフの有無について大まかな傾向を把握する。加えて、テーマ1や3と連携することでシナリオ構築のためのフィードバックを得る。
<2022年度>
最終年度は、テーマ1や3と連携の上で、インベントリデータおよび解析結果の精緻化を進めると共に、市場規模の情報を考慮に入れることで、トレードオフの影響が大きく水銀対策の導入法について特に改善を要するような技術・部門を同定する。

今年度の研究概要

 サブテーマ(1)では、技術選択モデルおよび物質フロー・サプライチェーンモデルを改良・拡充することで、将来の水銀排出量の推計を可能とする?グローバル・シナリオモデルの開発に取り組む。また、?水銀動態に関する物質フロー・サプライチェーン情報の整備に注力する。並行して、?シナリオ情報の整備として、水俣条約の履行に関わる技術や水銀の排出挙動の変化に関わる気候変動の対策技術の情報収集とパラメータの整備に取り組む。また、パラメータ等のシナリオ分析に必要な情報の共有を含めてモデルの連携(ソフトリンク)を進める。
 サブテーマ(2)では、初年度は、水俣条約履行のための対策技術を抽出する。代替技術の具体例として照明、電池等の製品、小規模金製錬、化学工業を、水銀除去技術の具体例として石炭火力、鉄鋼・非鉄製錬、セメント生産を対象とする。後者についてはテーマ1と連携する。 上記対策技術を対象として,国内プロセスについてはIDEA(Inventory Database for Environmental Analysis)を、国外についてはEcoinventを参考に、水銀排出量を含む推計に必要なインベントリデータのプロトタイプデータベースを整備する。

外部との連携

サブテーマ(2):立命館大学

課題代表者

中島 謙一

  • 資源循環・廃棄物研究センター
    国際資源循環研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,材料工学
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担当者