- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1617CD002
- 開始/終了年度
- 2016~2017年
- キーワード(日本語)
- 廃棄物埋立地浸出水,人工湿地,有機態窒素,除去メカニズム,植物−微生物共生効果
- キーワード(英語)
- landfill leachate,constructed wetlands,organic nitrogen,removal mechanism of organic nitrogen,plant-bacterial association
研究概要
廃棄物埋立地浸出水の処理において、難分解性物質の除去は課題の1つであり、近年、浸出水中に残留性の有機態窒素が含まれていることが指摘されはじめたが、その実態についてほとんど明らかとされていない。本研究では、浸出水中の有機態窒素の特徴づけを行うとともに、人工湿地による有機態窒素除去メカニズムを解明することを目的とする。植物−微生物の共生効果にも着目し、低BOD/COD条件下での難分解性有機態窒素の除去に関与する植栽の影響および微生物反応の機能について明らかにする。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
(1) 廃棄物埋立地浸出水中の有機態窒素の特徴づけ
埋立から年数が経過している後期の最終処分場の実浸出水を対象とし、有機態窒素の存在割合および分子量分布等の特徴を明らかとする。加えて、長期分解試験を実施し、浸出水中の有機態窒素の生分解性を評価する。
(2) 人工湿地における有機態窒素の除去メカニズムの解明
2-1, 植物体による有機態窒素の吸収、吸着、低分子化の検証
微生物分解を排除した無菌試験系を用いて浸出水処理試験を実施することにより、植物による吸収、吸着による有機態窒素の除去能力を検証する。また、処理水中の有機態窒素の分子量分布を解析することで、植物による有機態窒素の低分子化作用を明らかとする。
2-2, 植物−微生物共生関係構築が有機態窒素の除去特性に及ぼす効果の検証
非植栽系と植栽系の浸出水処理試験を実施し、植栽が難分解性有機態窒素の除去特性に及ぼす影響を明らかとする。加えて、植栽が微生物数、微生物生態系および窒素循環に関与する微生物反応に及ぼす影響“根圏効果”を可視化する。
これら、一連の実験で得られた結果を統合し、人工湿地処理法における浸出水中の有機態窒素の除去メカニズムを解明する。
今年度の研究概要
平成28年度で得られた成果を踏まえ、浸出水中の難分解性有機態窒素の除去に対する植物−微生物共生系の効果について検証を行う。また、植栽が微生物数、微生物生態系および窒素循環に関与する微生物反応に及ぼす影響を分子生物学的手法を用いて評価を行う。昨年度および今年度に得られた成果を統合的に解析し、人工湿地による難分解性有機態窒素の除去メカニズムの解明を推進する。
外部との連携
カセサート大学