- 予算区分
- BY 環境-委託請負
- 研究課題コード
- 1212BY015
- 開始/終了年度
- 2012~2012年
- キーワード(日本語)
- 二次生成粒子,生体影響
- キーワード(英語)
- secondary organic aerosol, health effect
研究概要
環境中におけるナノ粒子は、ディーゼル排ガス粒子(DEP)中での存在割合が増加してきているほか、大気中での光化学反応等によりその有機成分が反応・凝集凝縮して新たに二次生成有機エアロゾル(SOA)の生成に寄与していることが知られている。特に夏季の都市部では、気象条件によってはSOAがかなりの高濃度に達することが報告されている。SOAは光化学反応により強い反応性が付与されるため、その生体への影響が強く懸念されているが、標準粒子の調製方法すら確立されていないため国際的にも殆ど知見がない。また、毒性発現のメカニズムもこれまでのDEPとは異なる可能性が高く、別途詳細な研究が必要である。こうしたことから、環境ナノ粒子のうち特にSOAについて、その環境中での動態や性状を把握するための調査を行うとともに標準粒子の調製方法を確立し、細胞や動物お用いた実験等によりその生体影響を調べ、SOAの適切な評価を行うことを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
(1)ディーゼル排気由来SOAの調製法の確立と細胞曝露系を用いた評価を行うことを目的として、ディーゼル排気由来SOAの生成条件の検討、ならびに細胞曝露装置におけるディーゼル排気由来SOAの実効曝露量の推定と細胞への影響を調べる。
(2)ディーゼル排気由来SOAの健康影響評価に関する研究として、ディーゼル排気由来SOAの吸入曝露影響方法に関する研究、ならびに捕集したディーゼル排気由来SOAの生体影響に関する研究
捕ーゼル排気由来SOA二次生成有機エアロゾルをの小動物にへの気管内投与点鼻投与等を行う。
(3)ディーゼル排気由来SOAの性状把握調査として、大気中におけるSOAの野外調査、ならびにディーゼル排気由来SOAのラジカル種の分析実施及び定性・定量の検討を行う。
今年度の研究概要
自動車排出由来の環境ナノ粒子成分からとオゾン、あるいは紫外線照射による光酸化反応などによりSOAが生成する過程を調べ、ディーゼル排気由来のSOAの生成について定量的に評価し、物理化学的性状についても調べる。ディーゼル排気由来SOAの粒径領域の粒子について、細胞への沈着率をシミュレーションや実測により評価し、沈着量と毒性の関係を明らかにするためのデータを得る。また、オゾン酸化により生成したSOAをの気液界面曝露した細胞の影響評価を行うほかい、捕集したSOAがの細胞機能に及ぼす変化を調べると比較するについて調べる。
ディーゼル排気由来SOAの小動物を用いた短期吸入曝露方法を開発実施し、SOAの生体影響評価法の策定を行う。捕集したディーゼル排気由来SOA二次生成有機エアロゾルをの小動物にへの気管内投与点鼻投与等を実施し、呼吸器をはじめ系、免疫系、脳神経系、循環器系への影響を調べるディーゼル排気粒子投与やディーゼル排気由来SOA吸入曝露の影響と比較する。また、ディーゼル排気由来SOAの感受性要因についても調べる。
大気環境中におけるSOAの粒径分布や化学成分を調べ、ディーゼル排気由来SOA曝露装置内における粒径や成分との比較を行う。また、ディーゼル排気由来SOAの中でも生物活性の高いと考えられるラジカル種の同定と定量分析を行う。
備考
1214AO001 都市大気における粒子状物質削減のための動態解明と化学組成分析に基づく毒性・健康影響の評価
課題代表者
平野 靖史郎
担当者
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古山 昭子
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藤谷 雄二環境リスク・健康領域
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石堂 正美環境リスク・健康領域
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曽根 秀子
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TIN-TIN-WIN-SHWE環境リスク・健康領域