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硝酸イオンの窒素、酸素安定同位体比および溶存有機物、懸濁態有機物の窒素同位体比による流域からの窒素負荷源の特定と流出機構の解明(平成 23年度)
The analysis of nitrogen loading and discharge within watershed by nitrogen and oxygen isotope measurement of nitrate, dissolved or suspended organic matter

予算区分
NA 寄付
研究課題コード
1112NA001
開始/終了年度
2011~2012年
キーワード(日本語)
窒素負荷,脱窒菌法,窒素安定同位体比
キーワード(英語)
Nitrogen loading, Denitrifier method, Stable nitrogen isotope ratios

研究概要

農業排水に由来する窒素の流域への排出は、湖沼、河川、内湾の富栄養化の主原因であるにも関わらず、こうした面源負荷については定量的推定や負荷地域の特定が不正確であった。特に、GIS特性や降水パターン、河川流量、水質データが詳細に取られていない流域での負荷の算定は困難を極める。しかしながら地域によらず排出源に特異的な同位体特性を利用すれば、多様な窒素負荷の流域でも適用可能な簡便で正確な窒素負荷の評価は可能である。硝酸イオンと溶存有機物が河川水の主たる窒素プールであるが、微量CF/C/IRMSシステムおよび脱窒菌法といった測定法の進歩により、溶存有機物の窒素同位体比(δ15N)と硝酸イオンのδ15Nと酸素同位体比(δ18O)を時空間的に高頻度で解析できるようになった。溶存有機物と硝酸イオンのδ15Nからは、1)生活排水や畜産排水の寄与、2)地下水流入の影響を評価できる。さらに、硝酸イオンの濃度とδ18Oを合わせて分析することで、3)大気や森林からの窒素負荷、4)硝化、脱窒、窒素同化の活性、を解析できる。本研究は河川や湖沼の富栄養化のみならず地下水の硝酸汚染など今後深刻化する我が国の水質問題に大きく資する研究になると考えられる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

所属研究室には、多様な土地利用からの河川水が多数保存されており、既存の硝酸イオンと有機物の同位体分析システムを活用して、1)森林、灌漑用水、農業排水、雨水といった主たる窒素負荷源の濃度と同位体特性を抽出する。2)同位体混合モデルを軸としたモンテカルロ法によって各試料水における各種負荷源の寄与率を算出する。3)硝酸イオンや溶存有機物の濃度と同位体比による実用的で簡便な窒素負荷算定法の確立を目指す。

今年度の研究概要

多様な保存試料水の硝酸イオンの同位体測定を中心に行う。測定法に関しては、高津ら(2011)Radioisotopes 60(6) 231-240に従う。次に懸濁態有機物の窒素同位体比の測定をコンフロシステムを用いて行う。溶存態有機物の窒素同位体比の測定は来年度に行う予定で、今年度は湿式酸化による同位体測定のための各種条件設定を行う。

関連する研究課題

課題代表者

高津 文人

  • 地域環境研究センター
    湖沼・河川環境研究室
  • 室長
  • 理学博士
  • 生物学,農学,林学
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担当者