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2014年3月31日

窒素飽和状態にある森林域からの窒素流出負荷量の定量評価および将来予測(特別研究)
平成22~24年度

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-107-2014

表紙
SR-107-2014 [5.6MB]

 通常の森林では、窒素は養分として消費されるため、渓流水への硝酸イオン流出量は少なくなっています。しかし、人為起源の窒素化合物が大気汚染を介して大量かつ慢性的に森林に流入すると、生態系が窒素過剰状態に陥り、渓流水への硝酸イオン流出量が増大します。渓流水の硝酸イオン濃度上昇が及ぼす影響としては、下流域の水質悪化や、硝酸イオン流出に伴うカルシウムなど栄養分の流亡が問題視されています。

 研究所では、このような背景を踏まえ、平成22~24年度の3年間をかけた特別研究プロジェクトにおいて、1980年代から窒素飽和状態が持続していると考えられる茨城県筑波山を対象に、3つのサブテーマ 1)筑波山における過去と現在の渓流水中硝酸イオン濃度の比較、2)霞ヶ浦への硝酸性窒素流入負荷に対する森林域の寄与の推定、3)筑波山におけるカルシウム欠乏による森林衰退の可能性の検討について、調査研究を実施しました。

 本号は、これらの調査研究の具体的な成果を取りまとめた報告書です。本研究のように、森林域における窒素飽和の推移や進行を10年単位での長期比較に基づいて具体的に明らかにした調査事例は国内外において未だほとんどないことから、本報告書は極めて有用な成果を提供すると考えています。また、森林の窒素飽和の現状と影響を評価する基礎データとして、森林管理や水質保全に関する研究および行政に役立つことを期待しています。


(地域環境研究センター 越川昌美、林誠二(編者))

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