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2013年10月31日

木漏れ日便り

 クズは秋の七草のひとつです。国立環境研究所の構内にもあちこちに生えています。多年草で、根にたっぷりデンプンを蓄えて冬を越し、春になるとつるを勢いよく伸ばします。根にたくわえられたデンプンから作られるのが葛粉(くずこ)です。また、根を干したものは漢方薬の材料になります。構内の定期的な草刈りのときにクズも刈り払われますが、それを免れるものもあります。写真1は、高さ6メートルほどの鉄柱にからみついたクズですが、中に何があるのかまったく見えません。クズの葉は、3枚の小葉(しょうよう)に分かれています(写真2)。夏の暑い盛りに太陽の光を受けた葉は、小葉の付け根でねじれて、互いに重なりあって強すぎる光を避けます(写真3)。そんな夏の後半になると、いかにもマメの仲間らしい花が咲き、甘い香りが漂います(写真4)。やがて秋になるとマメのさやができます。写真5では、晩秋の陽射し受けてさやの毛が輝いています。

(竹中明夫)

写真:クズ

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