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天皇皇后両陛下の国立環境研究所ご視察について

【研究所行事紹介】

企画部 広報・国際室

 天皇皇后両陛下は、第21回IUPAC化学熱力学国際会議開会式ご臨席および地方事情ご視察のため茨城県に行幸啓になられ、その一環として、8月2日(月)に国立環境研究所を視察されました。

 当研究所の前身である国立公害研究所を視察されて以来、実に20数年ぶりとなる今回の国立環境研究所へのご訪問では、研究所の多様な研究分野のうち、生物多様性に関連する研究や施設を中心に視察されました。

 天皇皇后両陛下は同日午前10時前に国立環境研究所に到着され、大垣理事長および安岡理事、鏑木理事、環境省白石総合環境政策局長のお出迎えににこやかにお応えになり、地球温暖化研究棟に最初にお入りになりました。

 同研究棟では、交流会議室において、大垣理事長による研究所概要の説明および竹中生物圏環境研究領域長による生物多様性に関する研究概要説明を聴取され、続いて、クワガタ、カブトムシやカエル等の生体標本や生物のグラフィックパネル等をご覧いただきながら、生物多様性と外来生物の問題について五箇環境リスク研究センター主席研究員の説明を聴取されました。両陛下とも、熱心に標本を観察されつつ説明に聴き入られ、外国産クワガタなどの侵入生物の繁殖状況や在来種との交雑の問題についてご質問をされました。また、生物グラフィックパネルについても関心を抱かれたご様子で、特にマルハナバチのCGをご覧になった際には、マルハナバチやミツバチ等の農業利用や野生化についてご質問をされるなど、生物に対する関心の深さを示されました。

 次に両陛下は、環境試料や絶滅危惧種の細胞を冷凍保存している施設である「環境試料タイムカプセル棟」に移動され、環境試料タイムカプセル化事業の概要とその成果について、桑名環境研究基盤技術ラボラトリー長からの説明を聴取されました。その後、さらに同棟内の環境試料長期保存室に移られ、液体窒素資料保存タンクをご覧になりました。保存タンク内にはトキ、ヤンバルクイナ等の細胞をはじめとした各種環境試料が氷点下165℃で冷凍保存されており、桑名ラボラトリー長が実際にタンクを開けると、のぞき込むようにタンクの中をご覧になりながら、保存状況についての説明を聴取されておられました。

 2箇所の施設でのご視察を終えられた両陛下は、研究本館で休憩された後、多数の職員がお見送りする中、職員に手を振られてお応えになりながら国立環境研究所を出発されました。

五箇主席研究員による、生体標本を用いた説明の様子
桑名ラボラトリー長による、液体窒素試料保存タンク前での説明の様子