「第21回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
田中 敦
地方環境研究所(以下,地環研)と国立環境研究所(以下,国環研)との協力関係をより一層深め,発展させることを目的として,地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会が平成14年2月21日に国立環境研究所において開催された。第21回を迎えた今回は,地環研側から全国環境研協議会(全環研)の大山会長(新潟県保健環境科学研究所)はじめ,副会長,支部長理事計10名(内2名代理),オブザーバーとして新潟県保健環境科学研究所参事,国環研側からは合志理事長はじめ9名の幹部職員の出席があった。
検討会では,国環研理事長,全環研会長,それに来賓として迎えた環境省総合環境政策局総務課環境研究技術室の徳田室長からの挨拶があり,斉藤総務部長が司会を務め議事に入った。はじめに国環研の概況について説明があった。引き続き,環境省環境研修センター中h所長から,環境研修センターの概況について説明があった。平成14年度から実施されるタイムカプセル化事業について説明が行われ,若干の質疑を行った。その後,全環研からの以下の議事(国環研への要望事項)について,討議,意見交換が行われた。
(1)地環研と国環研の連携のさらなる充実
(2)ダイオキシン類の分析測定等に関する技術援助について
(3)共同研究,廃棄物関連研究の連携,予算について
(4)酸性雨全国調査のデータ解析について(酸性雨調査研究部会)
(5)環境研修の充実について(環境省環境研修センターへの要望)
独立行政法人化によって国環研の予算の枠組みが変わったこともあり,地方環境研究所との実効的かつ地域の問題に根ざした共同研究のあり方が共通の関心事となってきている。このような状況の中,従来にも増して,地方環境研究機関との協力関係を密接に築いてゆく必要があり,地環研と国環研の両者がこの検討会を通じてお互いに意見や要望を率直に述べあい理解を深めたことは,今後の環境研究の発展に大きな意義がある。
翌日の見学会では,環境ホルモン総合研究棟において海水・淡水曝露実験施設などの研究施設,遺伝子工学実験棟において遺伝子組み替え実験施設と組み替え動物,温暖化研究棟において地球環境研究センター,低公害車実験施設の見学が実施された。
目次
- 人間の立場に立つ環境研究
- 地球温暖化の影響を予測するシリーズ重点特別研究プロジェクト:「地球温暖化の影響評価と対策効果プロジェクト」から
- ミリ波放射計によるオゾン変動の観測シリーズ重点特別研究プロジェクト:「成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解明プロジェクト」から
- ダイオキシンによる生殖機能の異常はどのくらい低い濃度で起きるのか?研究ノート
- 「COP(コップ)とは?」環境問題基礎知識
- 「第17回全国環境研究所交流シンポジウム」−内分泌攪乱化学物質の評価手法の現状と展望−
- 独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2002 「環境 温故知新 −地球環境の履歴から将来を考える−」について
- 新刊紹介
- 表彰・人事異動
- 編集後記