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平成9年度環境庁の地球環境研究総合推進費による研究課題について(国立環境研究所における実施状況)

清水 明

 地球環境研究総合推進費による研究は,地球環境保全のための基盤づくりを進め,国際的取り組みに積極的に貢献するために,関係省庁相互の連携協力の下に国立試験研究機関,大学等の研究機関相互の連携協力を進めるとともに,国際的な地球環境共同研究計画に参加することにより,これらを総合的に推進するものとしている。

 研究対象の分野は (1)オゾン層の破壊,(2)地球の温暖化,(3)酸性雨,(4)海洋汚染,(5)森林の減少,(6)生物多様性の減少,(7) 砂漠化,(8)人間・社会的側面から見た地球環境問題,(9)その他の地球環境問題となっている。さらに個々の研究課題は,その目的,研究対象の範囲,研究実施主体等により,次の7つの区分,(1)重点研究,(2)一般課題別研究,(3)開発途上国等共同研究,(4)総合化研究,(5)先駆的地球環境研究,(6)国際交流研究,(7)課題検討調査研究に分類される。

 表に,今年度当研究所が関与して実施している地球環境研究総合推進費の課題一覧を示す。この中で,先駆的地球環境研究区分は,平成9年度に新たに加わったものである。これは,具体的手法・技術としては未確立であるが,要素としては潜在する新たな概念に基づいた研究理論,技術革新,解析手法の開発や導入によって,地球環境問題解決に対する飛躍的な研究の進展に寄与することが期待される研究テーマを積極的に育成・具体化するための研究プロジェクトとされている。特にプロジェクト代表者を,企画委員会の構成員からなる先駆的地球環境研究推進グループの了承を得て選出する点が他の区分と異なるところである。このように,プロジェクトリーダーの性格を変えて制度の充実強化を図る点は,今後の一つの方向として注目される。

(しみず あきら,研究企画官)