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スーパーコンピュータ稼動記念式典報告

その他の報告

塚田 良一

 地球環境研究センターが進めている「地球環境研究の支援業務」の一環として、地球温暖化、成層圏オゾン層破壊、酸性雨あるいは海洋汚染などの地球規模の環境問題に関する研究を推進するための強力な道具となるスーパーコンピュータシステム(日本電気(株)製SX−3モデル14)が国立環境研究所に導入された。

 これを記念し、平成4年3月25日に国立環境研究所スーパーコンピュータシステム稼働記念式典が挙行された。当日は、平野清環境庁環境政務次官をはじめ、高野健三筑波大学教授ほかスーパーコンピュータ関連研究ステアリンググループの委員、筑波研究学園都市にある各省庁の地球環境研究を実施している試験研究機関の代表、また、供給者である日本電気株式会社取締役会長の中村兼三氏ほか、多数の出席者があった。

 式典は、小泉明国立環境研究所長の挨拶の後、所長と中村会長によるテープカットが行われ、引き続き所長によりデモンストレーションの始動ボタンが押された。デモンストレーションとしては、当研究所の沼口研究員が作成したアクアプラネットを対象とした大気大循環モデルの計算結果を可視化した画像を高速画像表示装置を使いアニメーション化したものが用いられた。市川惇信副所長による本スーパーコンピュータシステムの紹介及びデモンストレーションの説明の後、システムの見学を行った。

 引き続き行われた祝賀会においては、政務次官の式辞、所長より本システム導入の経過説明があり、祝宴に移り盛況裏の内に閉会した。

 本研究所のスーパーコンピュータシステムの性能の概要は以下のとおり。


(1) 4GFLOPS以上の実効性能
(2) 1GBの主記憶装置と3GBの拡張記憶装置
(3) 82GBの磁気ディスク装置
(4) 高速画像表示装置
(5) 高速なネットワークで接続されたワークステーション
(6) UNIXオペレーティングシステム
(7) 自動ベクトル化機能を持つFORTRANコンパイラー
(8) 科学技術計算用及び計算結果可視化用ソフトウェア


 地球環境研究センターとしては、このスーパーコンピュータシステムを国立環境研究所に限らず広く国内外の地球環境研究者の利用に供し、地球環境研究の推進を図ることとしている。このため、地球環境研究の専門家等により構成される「スーパーコンピュータ関連研究ステアリンググループ」を設置し、地球環境研究センターのスーパーコンピュータ上で実施するべき研究課題についての提言を得ることとしている。

(つかだ りょういち、地球環境研究センター 現在:環境庁自然保護局)

記念式典の写真
スーパーコンピュータの写真