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河川生態系への影響評価研究のあゆみ

 本号で紹介した研究は次のような流れで進められました。

湖沼・河川等、淡水環境の生態系保全と移行・周辺帯の環境管理に関する研究(2000~2002年度)

 淡水魚類の生息環境について、魚類の分布と河川の蛇行、瀬淵構造、河畔林、倒流木などさまざまな物理的構成要素との空間的な関係を、ランドスケープスケールで解析しました。

生物多様性の減少機構の解明と保全(2001~2005年度)

サブテーマ 流域ランドスケープにおける生物多様性の維持機構に関する研究

 北海道の淡水魚類の種の多様性とそれに対する人為的な影響について、主に統計モデルを用いた定量的な評価を行いました。

ダムによる生息環境分断が淡水魚類の多様性に及ぼす影響の広域的評価(2002年度)

 北海道で過去に行われた魚類調査に関する文献を収集し、淡水魚類の種ごとの分布と確認された年代などについてGISを用いて整備し、データベースを作成しました。

淡水魚類生息環境のダムによる分断と河道直線化による均質化による影響評価(2003~2004年度)

 上記2つのテーマについて、北海道で行った現地調査や作成したデータベースを基にデータの解析を行いました。

流域生態系の再生プラン支援を目的とした河川ネットワーク解析技術の開発(2004~2005年度)

 全国の地方環境研究所と共同で、河川ネットワーク、生物データ、河川横断構造物に関する情報をデータベースとして整備しました。また河川ネットワークの解析、ダムによる流域分断図作成、淡水魚の潜在生息分布の推定などに関する解析ツールを開発しました。

全国を対象とした淡水魚類生息地ポテンシャルの時空間解析と流域再生支援システム(2006~2008年度)

 日本全国の主要水系における絶滅危惧淡水魚類を対象として、4分野のデータ(河川水辺の国勢調査淡水魚類、ダムによる流域分断マップ、公共用水域水質、生息地物理環境)を統合し、生息地ポテンシャル(生息確率)の推定を行うシステムを開発しました。これを用いて1977~2002年の間の生息地環境(魚の棲みやすさ)の変化を推定し、全国マップとして示しました。

 これらの研究は以下のスタッフ・組織の協力のもと実施されました(敬称略。所属は協力時点でのもの)。

研究担当者

  • 福島 路生、亀山 哲

所内研究協力者

  • 高村 典子、椿 宜高、島崎 彦人、宮下 七重

所外研究協力者

  • Ashley Steel(NOAA NMFS、米国)、雨宮 護・韓 美徳・福島 武彦(筑波大学)、岩舘 知寛・金子 正美・矢吹 哲夫(酪農学園大学)、卜部 浩一・下田 和孝(北海道立水産孵化場)、岸 大弼・小泉 逸郎・前川 光司・吉川 大輔(北海道大学)、北川 理恵・高田 雅之・福山 龍次(北海道環境科学研究センター)、高山 肇(阿寒町)、中尾 勝哉(社団法人北海道栽培漁業振興公社)、三橋 弘宗(兵庫県人と自然の博物館)、三宅 洋(岐阜大学)

研究協力機関

  • NPO 法人EnVision 環境保全事務所、神奈川県環境科学センター、環境省自然環境局生物多様性センター、岐阜県保健環境研究所、財団法人ダム水源地環境整備センター、財団法人リバーフロント整備センター、長野県環境保全研究所、北海道建設部、北海道水産林務部、山形県環境科学研究センター