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コラム3「受容体の働き」

 受容体は、内分泌系、神経系、免疫系からの情報伝達物質を認識し結合して、細胞内の核へ情報を伝える役目を果たします。その指令に基づき、細胞は目的とする酵素などを作り出します。個々の受容体は、それぞれ一つの物質しか受けることができません。結合する物質をリガンドと呼び、受容体との関係はカギとカギ穴のようなしくみになっています。

 細胞の外側を包む細胞膜は脂質層です。このため水溶性物質と結合する受容体は細胞膜を通過できず、細胞膜上に存在します。一方、脂溶性物質は細胞膜を通過できるため該当の受容体は核の中にあります。前者を細胞膜受容体と呼び、ペプチドホルモン(成長ホルモン)受容体などがそれにあたります。これらは結合後、細胞内の情報伝達物質(細胞内シグナル伝達)を介してDNAへ届きます。後者を核内受容体と呼び、ステロイドホルモン(性ホルモン)受容体、アミノ酸誘導体ホルモン(甲状腺ホルモン)受容体、そして本文に登場するRXRなどがそれにあたります。

 内分泌かく乱化学物質は、受容体を巡ってさまざまな悪影響を与えます。まずあげられるのは受容体と結合するためのカギを持つ偽のリガンド作用です。本来のリガンドは必要なときだけ作られて作用します。ところが、内分泌かく乱化学物質は外から入ってきますから勝手にどんどん受容体と結合し、スイッチをオンにして作用(本来の作用とは別の作用)を開始してしまいます。一方、必要なときに本来のリガンドが受容体と結合するのを妨害する内分泌かく乱化学物質もあります。これは、スイッチをオフにするわけですから体内のホルモンなどの作用が行われなくなります。

図
代表的なホルモンの構造と作用メカニズム