AIM研究の歩み
本研究では,平成2年度から以下の課題に沿って,地球温暖化問題に関する対策・影響評価を行うことを目的にして統合評価モデルを開発してきました。
課題名:アジア太平洋地域における温暖化対策分析モデル(AIM)の構築に関する予備的研究(平成2年度)
アジア太平洋地域における温室効果ガスの排出・吸収量を推定して温暖化対策が社会経済へ与える影響を評価するためのAIMモデルの開発に着手し,社会経済シナリオの検討,世界モデルの開発,地理情報システムの整備等を行いました。
課題名:アジア太平洋地域における温暖化対策分析モデル(AIM)の構築に関する研究(平成3年度〜平成5年度)
温室効果ガス排出及び気候変化についての世界モデルを拡張するとともに,国別技術選択モデルの基本部分を開発しました。また3つの影響モデル,すなわち水資源量変化モデル,潜在自然植生モデル,マラリア伝染性モデルを開発しました。
課題名:アジア太平洋地域における温暖化対策分析モデル(AIM)の開発に関する途上国等共同研究(平成6年度〜平成8年度)
アジア地域の研究者と共同して主要国の国別モデルを開発するとともに,排出量取引などの分析が行える国際貿易を考慮した一般均衡モデルを開発しました。また,影響モデルの構成要素を精緻化するとともに農業影響モデルを開発しました。
課題名:アジア太平洋地域における温暖化対策統合評価モデル(AIM)の適用と改良に関する途上国等共同研究(平成9年度〜平成11年度)
経済・エネルギー・土地利用・技術・ライフスタイルなどのモデルを組み合わせたシナリオ作成のためのリンケージモデルやAIM簡略モデルを開発しました。また気候変動シナリオのためのインタフェース,影響の経済評価モデルを開発しました。
課題名:アジア太平洋地域統合モデル(AIM)を基礎とした気候・経済発展統合政策の評価手法に関する途上国等共同研究(平成12年度〜平成14年度)
気候政策と地域環境政策等の国内政策,あるいは気候政策と経済政策を同時に実施していくための政策を評価するための統合モデルを開発しています。
この研究は以下の組織・スタッフにより実施されてきました。
研究担当者
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社会環境システム研究領域森田 恒幸,原沢 英夫,甲斐沼美紀子,増井 利彦,藤野 純一,高橋 潔,肱岡 靖明(いずれも地球温暖化研究プロジェクト併任)
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客員研究員松岡 譲 (京都大学大学院工学研究科)
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共同研究機関・共同研究者・エネルギー研究所(中国):Xiulian Hu, Kejun Jiang, Hongwei Yang
・地理科学自然研究所(中国):Jiulin Sun, Zehui Li, Songcai You, Xianfu Lu
・インド経営大学院(インド):P. R. Shukla, Rahul Pandey, Ashish Rana
・インド工科大学(インド):Murari Lal
・インデェラ・ガンジー研究所(インド):V.K. Sharma
・サンミョン大学(韓国):Dong Kun Lee
・韓国環境研究所(韓国):Seongwoo Jeon, Hui Cheul Jung
・環境省(インドネシア):Dadang Hilman, Farhan Helmy
・バッテル国立太平洋北西研究所(米国):Ronald D. Sands
・国際応用システム分析研究所(オーストリア):Gunther Fischer
・メルボルン大学(オーストラリア):Ian Penna
・(財)地球環境戦略研究機関:Tae Yong Jung
・龍谷大学:増田 啓子