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2017年2月2日

第2回NIES国際フォーラム、開会

NIES国際フォーラムレポート

写真1 会場入り口
写真2 集合写真(撮影:成田正司)

2017年1月26日から28日にかけて、インドネシア・バリのウダヤナ大学を会場に、2nd International Forum on Sustainable Future in Asia/第2回NIES国際フォーラムを開催しました。

2015年にパリ協定やSDGs(持続可能な開発目標)が策定されて以来、持続可能な社会の実現へ向けて世界中で様々な取り組みが進んでいます。しかしながらまだまだ課題は山積みで、アジア地域も例外ではありません。

そこで、アジアの持続可能な社会実現のために最新の知見を共有し、また議論していくべく、昨年度に引き続きNIES国際フォーラムを開催することになりました。今年はインドネシアを舞台に、現地やアジア各国の研究機関との協働のもと、第4期中長期計画での取り組みの中から5つのテーマ(環境モニタリング、環境リスクと健康、廃棄物管理・リサイクル、生物多様性、気候変動への適応と緩和策の連携)について話し合いました。

写真3 会場の様子

Opening Remarks/Keynote Speech/Framing Presentation

はじめに、今回のフォーラムを開催するにあたり、日本、インドネシアの政府関係者、主催機関、共催機関の代表者らのあいさつと、基調講演、及び今回のフォーラムのテーマが世界の持続可能社会への取り組みの中でどのように位置づけられているかのフレーミングプレゼンテーションが行われました。

開会のあいさつ(登壇順)

  • ウダヤナ大学 学長 Ketut Suastika 氏
  • 在デンパサール日本国総領事館 総領事 千葉広久 氏
  • インドネシア環境林業省研究開発イノベーション局 長官 Henri Bastaman 氏
  • 国立環境研究所 理事長 住明正 氏
  • 東京大学 サステイナビリティ学連携研究機構 教授 福士謙介 氏
  • アジア工科大学院 副学長 山本和夫 氏

キーノートスピーチ

  • Director for Environment Affairs/Ministry of National Development Planning/ National Development Planning Agency (BAPPENAS) Medrilzam 氏
  • アジア工科大学院 副学長 山本和夫 氏
  • The Agency of Assessment and Application Technology, Indonesia/IPCC vice chair Edvin Aldrian 氏

フレーミングプレゼンテーション

  • 国立環境研究所 特任フェロー 春日文子 氏

開会の挨拶では6名の代表者から今回のフォーラムへの期待をこめた挨拶をいただきました。特に、インドネシア環境林業省研究開発イノベーション局Bastaman長官からの“How do we combat climate change?”(私たちはどのように気候変動に対抗するのか?)といった問いかけや、住理事長が強調した、対抗策としての行動の重要性が今回のフォーラムの注目すべき点として位置づけられました。

写真4 Ketut Suastika氏
写真5 千葉広久氏
写真6 Henri Bastaman氏
写真7 住明正氏
写真8 福士謙介氏
写真9 山本和夫氏

キーノートスピーチでは、3人の講演者から、政策と科学の距離を近づけ統合していくことや、研究と教育の両輪の重要性、そして気候変動について適応と緩和の両方が重要であることなどが強調されました。

写真10 キーノートスピーカー及び座長(Bonar P. Pasaribu氏、左から二人目)
写真11 春日文子氏

最後に、春日文子特任フェローによるフレーミングプレゼンテーションでは、様々な社会問題やそれらの解決のための研究者/研究活動の役割が紹介されました。これからは、従来の学問分野を超えた研究や、研究コミュニティだけでなく様々なステークホルダーとの協働がますます必要とされます。

これら3つのセッションの中で、多くの専門家が、パリ協定はもちろんのこと、SDGsについて紹介していました。SDGsの達成のためには気候変動対策は不可欠であり、そのためには科学者の具体的な貢献が大きく期待されていることが改めて提示されました。
続いて、各セッションの様子を紹介していきます。

(文 杦本友里・芦名秀一 研究事業連携部門)
(写真 成田正司(企画部広報室)・杦本友里)