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生物多様性の時間変化をとらえるデータ統合と指標開発(令和 5年度)
Data integration and indicator development to assess biodiversity time trends

予算区分
1
研究課題コード
2325BA009
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
生物多様性
キーワード(英語)
biodiversity

研究概要

生物多様性の時間変化の評価・予測を一貫して可能にする汎用性の高い枠組みを構築するため、モニタリングサイト1000、河川水辺の国勢調査、森林生態系多様性基礎調査等の各行政機関が実施している観測および長期生態学研究ネットワーク(JaLTER)等の研究者ネットワークにより取得された、大規模な生物量の観測情報をデジタルデータとして容易にアクセス可能な形に統合する。これらの多様なデータソース、データタイプを対象として、長期の生物量推計を行う統合的な統計合モデルの開発と検証を行う。この統計モデルは、多様なデータタイプにそれぞれ対応する観測モデル、および全国・流域・サイトなどの空間的な階層や、ほ乳類・鳥類といった大分類から種にいたる分類群階層を明示的に組み込むものである。そのため、モデル出力は、空間・分類群の集約・分割が自在に可能な生物量指標として利用可能である。
 さらに、国内の流域を反復単位として、保護区・保護区以外の効果的な保全地域(OECM)や、森林管理や河川管理スキーム間で算出された指標値の比較を行うことで、これらの保全管理手法による生物多様性保全効果の実証を行う。また、森林、里地里山、河川、沿岸などの異なる生態系タイプ間での生物量・個体数変化の同調性やトレードオフの定量化も実施する。これらにより効果が実証された保全管理手法を生物量モデルに組み込むことで、複数の介入シナリオの下で、流域内の複数生態系における生物量指標の予測が可能になる。この予測にもとづき、流域内の森林や里地里山等の他の生態系への波及効果も考慮した河川管理における個体数管理目標の検討が可能になる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

・複数の生物量・個体数データを統合する階層モデルの開発と指標化を行い、生物量指標にもとづく生物多様性トレンドの可視化を実現する。
・複数の生態系を対象に、保全・管理対象地域の内外で生物量指標を比較することで、広域的な生物多様性トレンドの改善に有効な対策を特定する。
・河川生態系をモデルケースに、生物量指標の予測にもとづく個体数管理目標の設定手順の確立と公開を行う。

今年度の研究概要

統合対象とするデータのフォーマット仕様の検討およびAPI設計、国内生育・生息種の既存遺伝的多様性情報の収集を行う。データ統合・指標値算出のための統計モデルの開発と検証を行う。

外部との連携

東京大学
海洋研究開発機構
森林総合研究所
土木研究所

課題代表者

角谷 拓

  • 生物多様性領域
    生物多様性評価・予測研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 生物学
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担当者