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検出誤差に対して頑健な環境DNAメタバーコーディングの進展(令和 5年度)
Advancing the environmental DNA metabarcoding robust against detection errors

研究課題コード
2326CD006
開始/終了年度
2023~2026年
キーワード(日本語)
環境DNAメタバーコーディング,サイト占有モデル,群集動態,遺伝的多様性
キーワード(英語)
environmental DNA metabarcoding,site occupancy model,community dynamics,genetic diversity

研究概要

環境DNAメタバーコーディングの実践では手法に固有の検出誤差に対処することが求められる。この問題に対して近年、偽陰性誤差を補正する新たな統計モデルとそれに基づくデータ解析法が提案された。本研究では、方法論と応用の2つの側面からこの解析手法を発展させる。具体的には、時系列データと偽陽性誤差のモデル化に取り組むことで既存の方法を高度化し、群集安定性解析と遺伝的多様性評価の問題に応用する。提案手法をRパッケージとして実装・公開することで検出誤差に対して頑健な環境DNAメタバーコーディング手法の普及に貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究では、環境DNAメタバーコーディングにおける検出誤差を考慮した統計モデルの開発と応用に関する以下の4つの課題に取り組む。
1. 時系列解析手法の開発:経時的に収集された環境DNAメタバーコーディングデータに適合する動的モデルを開発することで、環境DNA分析に基づく生物多様性モニタリングへ応用可能な統計手法を構築する。
2. 偽陽性誤差の説明:配列リードの生成過程を詳細にモデル化することで、偽陰性の補正に加えてコンタミネーション等に由来する偽陽性の補正を可能とする統計手法を構築する。
3. 群集安定性解析への応用:検出誤差を考慮した環境DNAメタバーコーディングデータの解析手法とエネルギー分布に基づく群集の動的安定性評価手法を組み合わせることで、群集安定性の精緻な評価手法を提案する。
4. 遺伝的多様性評価への応用:環境DNAメタバーコーディングによるハプロタイプ多型データに検出誤差を考慮した解析手法を適用することで、環境DNA分析に基づく遺伝的多様性評価の高度化を目指す。

今年度の研究概要

偽陽性誤差のモデル化と群集安定性解析の枠組み構築に関する検討を進める。また、遺伝的多様性評価に関連したデータ収集を開始するとともに、関連するデータ解析法を実装したRパッケージの開発を進める。

外部との連携

共同研究機関:理化学研究所、京都大学

課題代表者

深谷 肇一

  • 生物多様性領域
    生物多様性評価・予測研究室
  • 主任研究員
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担当者