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統合研究プログラム(令和 2年度)
Environment-Economy-Society Integration Research Program

予算区分
SP 重点研究プログラム
研究課題コード
1620SP050
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
持続可能性,環境,社会,経済,シナリオ
キーワード(英語)
sustainability,environment,society,economy,scenario

研究概要

様々なスケール(世界、アジア、国、都市)を対象としたモデル開発と政策評価手法の開発とその適用を通じて、社会、経済の発展と、低炭素、資源循環、自然共生、安全確保等の各課題を解決するシナリオ、ロードマップを開発する。本研究は、3つのプロジェクト(PJ)からなる。PJ1「世界及びアジアを対象とした持続可能シナリオの開発に関する研究」では、世界とアジアを対象に、低炭素を中核として資源循環等の課題を取り込んだ新しい統合評価モデルの構築に向けた議論を行った上でモデル開発を実行し、開発したモデルを用いて持続可能社会シナリオの定量化を世界、アジア各国について行う。PJ2「地域の持続可能社会の統合的ロードマップ開発に関する研究」では、国や地域、都市を対象に統合評価モデルや環境影響評価モデルの開発を行うとともに、持続可能社会の実現に向けた社会実装支援の検討を社会モニタリングを通じて行う。PJ3「持続可能社会実現のための政策と評価に関する研究」では、持続可能な社会の実現に向けて、地域・生活のビジョン・計画手法の確立と、国・地域のより効果的かつ合意可能な法・制度の提案を提示し、ステークホルダーとの対話や参加を通じて持続可能な社会のビジョンと実現のための政策とその評価を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

PJ1では、世界全体及びアジアを対象に、様々な課題を対象とした統合評価モデル(IAM)の開発を行うとともに、それらを活用した世界及びアジアにおける持続可能シナリオの定量化を行う。
PJ2では、国土及び地域、都市で環境と社会の分析が可能となる新しいモデル群・モニタリングシステムと、それをもとにしたシナリオの開発を行い、国・地域を対象とした持続可能社会を実現する方策の検討を行う。
PJ3では、環境政策を総合的に評価する手法の検討と確立を目指して、環境政策を評価する手法の検討・改良を行い、政策評価手続、法制度検討と社会実装を見据えた政策提言を行う。


今年度の研究概要

PJ1については、複数の政策課題の統合的解決の検討に資する世界規模の統合評価モデルの改良を継続し、同モデルを用いた持続可能シナリオ開発を進める。また、アジアを対象とした分析では、アジア主要国について気候変動緩和策を中心に、循環経済など新たな環境、経済、社会の持続可能性を評価する統合評価モデルの開発と、それを用いた長期シナリオの開発を引き続き行う。
PJ2については、土地利用モデルと国土全体から都市までを対象としたマルチスケールでの課題別評価モデルの開発項目(分野、項目、スケール)別モデルを連携させたシステムの改良を進めるとともに、気候変動以外の複数の政策課題に対して統合的な施策評価と実施計画の立案検討のためのモデル評価・分析枠組みの構築に着手するとともに、課題別評価モデルのうち、社会で活用されることが期待されるものについては、簡易手法開発を進める。また、エネルギー消費から観測される行動や建物・機器性能の推計と、ICT(情報通信技術)センサー等他のモニタリングデータや各種調査データから得られる情報を組み合わせた、低炭素都市モニタリングシステムのプロトタイプの運用を行い、具体的な都市スケールでの研究対象地域に関して気候変動対応の技術社会システムの計画と評価を更に進める。
PJ3については、地域及び生活における環境負荷の定量化を進めるとともに、日常的選択に関する価値意識と持続可能社会の実現策に関する選好との関係を分析し、計画策定手法の検討を進める。また、環境・経済・社会・個人の幸福といった複数の価値をバランスよく満たす持続可能な社会を計測するための指標の策定およびそれを用いた計測を目指し、評価手法や理論構築に必要な情報を収集・分析する。

課題代表者

藤田 壮