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回遊魚を指標とした森里川海のつながりと自然共生(平成 30年度)
Migratory fish species as a measure of habitat connectivity

予算区分
AO 所内公募A
研究課題コード
1719AO003
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
森里川海のつながり,回遊魚,環境DNA,ストロンチウム同位体比,PITタグ
キーワード(英語)
habitat connectivity, migratory fish, environmental DNA, strontium isotope ratio, PIT tag

研究概要

森里川海のつながりを分断するダムや堰などの河川横断工作物の設置状況を把握し、分断された河川流域で淡水魚類が現在どのように分布しているか、外来魚がどのように分布を拡大したか、一方で絶滅危惧種イトウがどのように分布を縮小し、そして一部のダム湖にどのように陸封され適応するに至ったか。北海道を対象に、外部研究機関と連携し環境DNAと骨組織の微量元素・安定同位体比分析という最先端の手法を駆使してその解明に取り組み、自然共生の実現に貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

 北海道の主な河川(約200河川)の河口付近から河川水を採取し、全道の回遊魚を中心とした魚類相を北海道大学と共同でeDNAから把握する(H29, 30)。同時に、北海道北部(天塩川、猿払、声問などの流域)を対象にダムや堰など河川横断工作物による生物への影響を調べるため、これら工作物の上下流において河川水を採取し、流程に沿った魚類相の変化をみる(H30)。特に、希少魚と外来魚の分布に関し、人工構造物との関係に注目する。得られたeDNAデータは研究目的での公開を目指してデータベースとして整備する(H31)(以上、サブテーマ1)。
希少種イトウを中心とした魚類採捕は猿払川(猿払村)と声問川(稚内市)の2河川で行う(H29, 30)。PITタグをイトウ親魚に装着し、回遊行動を追跡し、本種の母川回帰性を調べる(H29-31)。一部の個体について耳石等、骨組織のSr同位体比の成長に伴う変化を測定し、支流ごとの河川水の値と照合することで回遊行動を調べる。分析は国環研と東京大学の分析機器(MC-ICP-MS)を利用する(H29, 30)。さらにダム湖による希少種イトウの保全効果について仮説検証を行う(以上、サブテーマ2)。

今年度の研究概要

PITタグを用いてイトウの回遊行動を調べる。PITタグは電池を持たず、半永久的に外部アンテナを通して信号を受信し個体識別が行える。来年度も同様の調査を行うことで母川回帰性を評価できる。
環境DNAの河川水サンプルを約150河川から採集する。分析は北海道大学と国環研で行う。次世代シーケンサーにより魚類相を全道スケールで調べる(ただし結果の多くは来年度に出る見込み)。現地で採集したイトウ稚魚の耳石に採集河川のSr同位体比が反映されているかどうかを検証する。合わせて、漁師から提供されたイトウ成魚の耳石に蓄積されたSrの同位体比の変化から、その個体の誕生した支流の特定と(降海や産卵の頻度など)回遊の履歴を調べる。

外部との連携

Dr. Pete S. Rand (Prince William Sound Science Center, Alaska, USA)
荒木仁志教授(北海道大学大学院農学研究院)
飯塚毅准教授(東京大学大学院理学系研究科)


小野 理 主査(北海道総合研究機構環境科学研究センター)
長坂晶子(北海道総合研究機構林業試験場)

課題代表者

福島 路生

  • 生物・生態系環境研究センター
    生態系機能評価研究室
  • 主任研究員
  • 水産学博士
  • 水産学,農学,生物学
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担当者