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廃石膏ボードリサイクルの品質管理の在り方と社会実装(平成 29年度)
Principles and practical implementation of quality control for recycling waste gypsum board

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 3-1702
研究課題コード
1718BA001
開始/終了年度
2017~2018年
キーワード(日本語)
廃石膏ボード,リサイクル
キーワード(英語)
waste gypsum board,recycle

研究概要

廃石膏ボードの排出量は、現時点では約100万トンであるが、十数年先には200万トンを超えることが予想されており、その9割以上を解体系の廃石膏ボードが占める。石膏ボードの原料の多くは副産石膏(脱硫石膏やリン酸石膏等)と再生石膏であるが、再生石膏の原料割合は1割程度(ボードtoボードリサイクル率)であり、その全てが、新築系の廃石膏ボード由来となっている。解体系の廃石膏ボードは、品質が一定で無いことから有効利用が進まず、50%以上が最終処分されている(マテリアルフロー上の不明分も含む)。現在は、廃石膏ボード排出量が100万トン程度であるため、最終処分量も許容値に収まっているが、将来、排出量が倍増し、現状のリサイクルシステムしか持たなければ、最終処分量を倍増させるしかない。そのため、解体系廃石膏ボードの再生石膏粉もボードtoボードリサイクルとして利用していく必要がある。ただし、石膏ボード原料の全てを再生石膏粉とすることはできないので限界があり、再生石膏粉を地盤改良材の原料として利用し、その規模を拡大させ、農業や畜産利用への新たな利用先を模索していく必要がある。本研究では、十数年後の将来像を見据えたマテリアルフローを把握することで、適正な廃石膏ボードリサイクルのビジョンを提示する。市場規模の拡大やボードtoボードリサイクルを推進するためには、再生品である再生石膏粉の品質管理が重要であるため、調査研究を通して品質検査プロトコルを明らかにする。同時に、地盤利用時の環境安全性(硫化水素ガス発生とフッ素溶出)についても試験評価法を提案することで、廃石膏ボードの再生利用の安全性と信頼性を高めていく。これら品質検査や環境安全に係る試験法をガイドラインとして発信するため、実際のリサイクル業者に社会実装すると共に、検討委員会を開催して有識者や利用者等と議論を重ね、セミナーや勉強会を通した広報活動を実施する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

現在、100万トン強の排出量となっている廃石膏ボードは、十数年先には200万トンを超えることが予想されており、その9割以上を解体系の廃石膏ボードが占める。解体系の廃石膏ボードは、品質が一定で無いことから有効利用が進まず、50%以上が最終処分されている(マテリアルフロー上の不明分も含む)。将来、倍増する解体系廃石膏ボードの有効利用のためには、品質を管理し、その利用先を確保するための技術や管理システムを確立することが必要である。そこで、農業や畜産利用先の需要量予測や、将来にわたって適正なリサイクルシステムが確立できるよう、時系列を考慮したマテリアルフローを示す(サブ4)。ボードtoボードのリサイクル率を向上させ、地盤改良材等の地盤利用の拡大も必要となる可能性が高い。そのためには、廃石膏粉の品質検査プロトコルを提案し(サブ3)、廃石膏業界の自主ガイドラインを作成することで(サブ5)、廃石膏リサイクルの信頼性を向上させることが求められる。地盤利用では、懸念されている硫化水素ガス発生を評価するための検査法をガイドラインに盛り込み(サブ1)、フッ素の溶出特性に関する留意点を明らかにしつつ、廃石膏粉を用いた地盤改良材の有効性を提示する(サブ2)。また、ガイドラインは、廃石膏ボードのリサイクルに関する協議会メンバーに適用して頂く事で、本研究の成果の社会実装を完遂させる(サブ5)。

今年度の研究概要

ガイドラインの科学的根拠となる硫化水素ガス発生やフッ素溶出挙動、地盤利用時の評価法、石膏粉の品質管理等に係る検討を進めると同時に、廃石膏ボードのマテリアルフローと新たな市場拡大について提案し、検討委員会を開催することでガイドラインの素案を作成する。
サブテーマ?:再生石膏を土壌改良材として用いた際の硫化水素ガス発生のバイアル瓶試験法を提案し、その試験法にしたがって各種土壌との混合試料を作成し、評価試験を実施する。また、再生石膏からのフッ素と硫酸イオンの長期溶出挙動をカラム溶出試験等によって評価する。
サブテーマ?:再生石膏の種類(特に二水、半水、無水石膏)が土壌改良効果に及ぼす影響を一軸圧縮試験等で確認し、同時にフッ素不溶化への寄与を明らかにする。また、改良効果の長期耐久性を検証するために供試体の養生を開始する。
サブテーマ?:再生石膏粉の品質として、結晶水の状態、粒度、含水比、有害物質含有量、紙分含有率に着目し、新材石膏や副産石膏(比較対象)と全国から集めた再生石膏粉を用いた試験を実施し、中間処理方法や地域特性等が石膏品質に及ぼす影響を明らかにする。
サブテーマ?:過去に実施された廃石膏ボードのマテリアルフローのデータを最新版とするためのアンケートやヒアリング調査を実施し、全国の廃石膏の動きを明らかにする。また、副産石膏である脱硫石膏やリン酸石膏等のフローも把握しつつ、畜産や農業系で利用可能な再生石膏市場規模を明らかにする。
サブテーマ?:品質管理ガイドラインの策定に向け、有識者、排出事業者、中間処理企業、コンサルタントらをメンバーとした検討委員会を組織すると共に、環境省庁や自治体環境部局、建設部局にもオブザーバーとして参画して頂き、廃石膏ボードリサイクルの品質管理と市場展開や産業界に及ぼす影響について検討し、ガイドラインの素案を作成する。

外部との連携

福岡大学、愛知工業大学、日本能率協会研究所、泥土リサイクル協会、全国石膏ボードリサイクル協議会

課題代表者

遠藤 和人

  • 福島支部
    汚染廃棄物管理研究室
  • 室長
  • 工学博士
  • 土木工学
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担当者