ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

月を光源としたエアロゾル光学特性測定装置の開発に関する研究(平成 29年度)
Development of a moon photometer to measure aerosol optical thickness

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1719CD026
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
衛星検証,エアロゾル
キーワード(英語)
satellite validation,aerosol

研究概要

 大気中にある半径約0.005〜5μmの微小粒子であるエアロゾルは、気候変動、大気汚染(大気質)に関係するため、その分布、時間変動、特性を明らかにすることは重要で、地上観測網による太陽を光源した観測、衛星で太陽光の反射光を利用して観測が行われている。しかしながら、これらの観測は、太陽光を使うことで観測データが日中に限られ、夜間のエアロゾルの観測データは、空白になっている。本課題では、月を光源にして夜間にエアロゾルの光学特性を測定する装置の開発を目指す。その際、日本の研究グループが中心になり、東アジア域やヨーロッパで徐々に観測点を増やしているSKYNETで使用している放射計を改良し、将来的にはSKYNETでの採用を呼びかけ、昼夜を問わないエアロゾル観測網の構築を目指す。 

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

 研究計画の全体は、月の観測を可能にするための装置の開発、必要なソフトウェアの開発、校正法の確立、実証観測からなる。
 装置の開発に関しては、既存のスカイラジオメーターを用いて、手動操作でスカイラジオメーターを月に向けて測定を行い、改良点を明らかにし、改良したスカイラジオメーターを製作する。ソフトウェアの開発としては、月の位置計算ソフトウェアの開発、月の太陽光反射強度計算ソフトウェアの開発を行う。装置の改造、ソフトウェアの開発後、Langley法による校正用のデータの取得を行い、測器を校正する。校正後、連続観測を行い、ライダー等との比較を行い昼夜連続にデータが取得できることの有効性を実証する。

今年度の研究概要

 装置のアンプのゲイン調整、可視センサーと近赤外センサーの暗電流測定の分離、自動追尾のための月位置センサーの開発を行い、自動で月観測ができるようにする。校正データ取得のためにマウナ・ロア観測所で、連続観測を行う。具体的には、以下のことを行う。
・月追尾の微調整(自動追尾)を行うための月位置センサーの開発を二つの方法で行う。一つは、月画像データから行う方法、もう一つは、太陽位置センサーで使われている4分割センサーを利用する方法である。
・改造したスカイラジオメーターを用い、昼夜の連続試験観測を行う。アンプの設定、検出器の設定について確認する。どれくらいの月齢の範囲が測定可能か確認する。問題がある場合は、改良を行う。
・新スカイラジオメーターを米国NOAAのマウナ・ロア観測所に持ち込み、校正用のデータ取得を約1ヶ月間行う。
・検定観測後、つくばで昼夜連続観測を行い、ライダーとの比較データを取得する。ライダーデータは、環境研AD-Netライダーのグループから提供を受ける。
・成果を、研究集会(SKYNET WS等)、学会で発表する。

外部との連携

山梨大学、国立極地研究所、気象庁気象研究所

関連する研究課題

課題代表者

内山 明博

担当者