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海洋溶存態有機物の分子サイズとバクテリアによる利用・分解特性(平成 29年度)
Relationship between molecular size distribution of seawater dissolved organic matter and bacterial decomposition

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1718CD002
開始/終了年度
2017~2018年
キーワード(日本語)
溶存態有機物,バクテリア,分子サイズ
キーワード(英語)
dissolved organic matter,bacteria,Molecular size

研究概要

海洋中の溶存態有機物(DOM)は莫大な現存量を示し,生物地球化学的炭素循環を見積もる上で海洋DOM動態を明らかにすることは重要である.DOM動態を調べる上で,DOMの分子サイズ分布や,各分子サイズのDOM生物利用性(availability)は有用な指標となる.海水には多量の塩が含まれることから,海洋DOMの分子サイズ分布の測定は技術的に困難であったが,2016年に脱塩とサイズ排除クロマトグラフィーを組み合わせた新規の測定手法が開発された(Shimotori et al. 2016).本研究では新規の分子サイズ分布測定手法によって,これまで全く測定されてこなかった海洋DOMの分子サイズ分布の季節・空間変動に加え,各分子サイズにおけるDOMのバクテリアによるavailabilityと,DOMのfateとしての難分解性DOMの分子サイズの収束点を明らかにする.

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究ではまず,?現場海域・相模湾においてDOM分子サイズ分布, バクテリア生産量および各種環境要因の時空間変動を観測する.1年間分のデータを用いて,各分子サイズのDOM availabilityの解析,DOM分子サイズ分布の変動要因および起源の推定を行う.次に,?植物プランクトンの大増殖の時期(3月〜7月)にDOM分解実験を数時間〜数ヵ月単位で実施し,分子サイズ分布の変化とバクテリアによる利用・分解特性を明らかにする.また,相模湾で優占する植物プランクトンの培養株滲出DOMの分解実験も同時に実施し,現場海水由来DOMの分解特性を実験室において確認する.最終的に,DOM分子サイズとavailabilityの関係を明らかにするとともに,DOMのfateとしての難分解性DOMの分子サイズの収束点を明らかにする.

今年度の研究概要

現場海域においてDOM分子サイズ分布の時空間変動を明らかにするため,夏季から1年間,相模湾で現場調査を行う.沖合定点と真鶴港の2地点で各層より採水する.DOM分子サイズ分布は脱塩後,サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)に全炭素量測定計(TOC計)を取り付けたSEC-TOC分析装置により測定する(Shimotori et al. 2016).バクテリア生産速度は申請者が開発した15N-dA法を用いて測定する(Tsuchiya et al. 2015).環境要因として,水温,塩分,植物プランクトン種組成,クロロフィルa濃度,バクテリア群集構造などを測定する.各分子サイズごとのDOM濃度とバクテリア生産速度との関係を解析し,現場におけるDOMの各分子サイズごとのavailabilityを明らかにする.また,各分子サイズのDOMと環境要因の解析を実施し,DOMの各分子サイズごとの変動要因や起源の推定を行う.

外部との連携

横浜国立大学,創価大学

関連する研究課題

課題代表者

土屋 健司

  • 地域環境研究センター
    湖沼・河川環境研究室
  • JSPSフェロー(STAフェロー)
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