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微小(PM2.5)及び粗大粒子状物質が脳卒中発症や死亡に及ぼす短期曝露影響に関する研究
(平成 29年度)
A Study for Acute Effects of Stroke and Mortality Caused by PM2.5 and Coarse Particle

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 5-1751
研究課題コード
1719BA003
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
PM2.5,化学組成,死亡,脳卒中,レセプト
キーワード(英語)
PM2.5,chemical composition,mortality,stroke,receipt

研究概要

粒子状物質の健康影響は国内でも大きな関心がもたれるようになり、大気中のPM2.5測定に関しては、等価性が認証された自動測定機による測定が2012年ごろから全国に普及した。しかし、この最新のデータを用いた全国を対象とした疫学的解析はほとんどないため、改めてPM2.5が及ぼす健康影響評価を行う必要がある。また、PM2.5の化学組成に関しても連続データが収集されており、環境省も全国の自治体と協力して各季節それぞれ2週間の化学組成データを収集・公開している。データの蓄積もあるので、PM2.5化学組成の健康影響を解析することが可能となってきたと考えられる。
日本人は欧米人に比べ脳卒中が多いことが特徴である。大気汚染と循環器疾患との関連性を示す知見は集積されつつあるが、脳卒中とPM2.5や粗大粒子との関連性を検討した研究は少ない。九州大学大学院医学研究院病態機能内科は脳卒中のデータベースを構築している。PM2.5や粗大粒子の短期曝露と脳卒中との関連を調査し、高感受性集団を特定することが可能となってきた。
本研究では、PM2.5及び粗大粒子状物質の大気曝露データと脳卒中データを用いて、脳卒中の短期曝露影響を検討する。また、全国の死亡・救急搬送データと最新の観測データを用いて、全国規模でのPM2.5及び粗大粒子状物質の短期曝露影響、及び、地域差の有無を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

福岡のFSR、全国の死亡、救急搬送データと、PM2.5や粗大粒子の質量濃度及び化学組成データを用いて、PM2.5が脳卒中、死亡、救急搬送に及ぼす短期曝露影響について疫学研究を推進する。
1)全国のPM2.5が及ぼす死亡・病院外心停止への影響
既存の国内の死亡データおよび病院外心停止データを収集するとともに、日本国内でのPM2.5質量濃度データを収集する。さらに、PM2.5及び粗大粒子の化学組成測定データを収集し、死亡や病院外心停止に与える短期曝露影響や地域差の有無について検証する。
2)福岡における微小(PM2.5)及び粗大粒子状物質に及ぼす脳卒中への短期曝露影響
福岡県内の既存のFSRデータを整備するとともに患者登録を継続しFSRデータを蓄積する。同時に、質量濃度および化学組成について、データの収集・蓄積を図る。脳卒中の発症、入院などのデータをPM2.5や粗大粒子の曝露データと結合し、脳卒中に対する短期曝露影響を統計的に評価する。さらに、患者の属性などを用いて高感受性集団について特定する。
3)PM2.5の質量濃度・化学組成が救急搬送や外来受診に及ぼす影響
国内の救急搬送や診療報酬明細書(レセプト)データを収集し、PM2.5質量濃度や化学組成データを用いて、日本国内におけるPM2.5が救急搬送やレセプトデータからわかる疾病への影響を検討し、併せて、地域差の有無について検証する。

今年度の研究概要

福岡において化学組成自動測定機を設置し、PM2.5, PM10の観測を行う。また、全国のPM2.5測定データやPM2.5化学組成データの収集・整備を行う。全国の死亡データおよび病院外心停止データを収集・整理し、PM2.5の短期曝露影響に対する解析方法を検討する。また九州大学と協力して、脳卒中データベース(Fukuoka Stroke Registry:FSR)の登録を継続し整備し、統計手法を用いて疫学的解析を行い、脳卒中への短期曝露影響に関する予備的検討を行う。さらに、京都大学と協力し、全国の救急搬送・診療報酬明細書(レセプト)データを収集・整備し、予備的解析を行う。

外部との連携

九州大学、京都大学

課題代表者

高見 昭憲

  • 地域環境研究センター
  • センター長
  • 博士(D.Phil)
  • 化学,化学工学
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担当者