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環境計測研究分野の概要(平成 28年度)
Environmental Measurement and Analysis

研究課題コード
1620FP080
開始/終了年度
2016~2020年

研究概要

環境の状態の時間的・空間的な変化の監視、過去の変化の解明、将来の環境変化の予兆の検出と変化要因の推定、ならびに新たな環境悪化の懸念要因の発見・同定とその評価などに関する様々な環境研究を支えるための環境計測手法(計測データの分析・解析・活用手法なども含む)の開発・高度化に関する研究や計測手法の整備、体系化に関する取組を推進する。同時に、環境ストレスに対する生体影響評価のための計測手法の開発、計測データを総合的に分析するための情報解析手法の開発・高度化や計測データ質の保証と管理を目指した調査・研究を実施する。
(1) 環境分析精度管理の基本となる環境標準物質の作成として、現在進めているPFOSの認証値決定に加え、PFCs(パーフルオロ化合物)の分析手法の開発と評価に着手する。また、水銀条約の締結に伴い今後環境分析での活用が期待される水銀同位体比精密測定について、精度管理手法の確立を目指し、海外研究機関とも連携して、既存の標準物質への同位体の参考値の付与のための同位体計測を行う。
(2) POPsを含む各種有機化合物についてのモニタリング手法、迅速分析法、網羅分析法を大気、土壌、室内環境資料等に適用し、手法の最適化と改良を図る。画像処理技術や統計学的手法を用いGC×GC−HRTOFMSデータの保持時間合わせや差の検出のための基礎的な解析手法の開発と改良を行う。誘導体化GC/MSによる大気粒子や発生源粒子の有機多成分分析を開発し、稲わらなどの野焼き粒子と大気微小粒子に適用する。
(3) 無機元素同位体計測技術の高度化を目指して、形態別の水銀安定同位体計測のための分離方法の開発・改良を含めた同位体分析法の開発・高度化を進める。また古環境解析や炭素循環解析に資する放射性炭素同位体(14C)分析法の開発・高精度化とその活用研究を推進する。併せて、災害と環境に関する研究の基礎研究として、環境多媒体中における放射性物質の計測手法の開発を継続する。
(4) 2003年に開始した商船利用による太平洋表層水の炭素同位体比測定を継続する。特に、北太平洋表層における14Cの長期変動の検出や大気海洋間CO2交換量の地域差などについて、詳細な解析を進める。また、植物葉群−大気間における揮発性有機化合物のガス交換量を把握するため、簡易な計測手法の開発を行う。
(5) 環境ストレスに鋭敏に応答する脳神経系への影響評価手法に関し、ヒト、動物の両面から進め、MRIを用いたヒト脳計測手法の開発と高度化ならびに、動物行動試験手法と化学分析の組み合わせた研究を推進する。ヒト側では、代謝物ベースラインデータ把握を目指し、脳内代謝物測定、解析の高度化ならびに健常人データの取得を進める。動物側では、有機ヒ素の脳内動態と脳機能への影響の理解を目指し、3種類の有機ヒ素を用いた脳内動態測定と毒物動態学的解析、神経伝達物質などの変化検討を行う。
(6) エアロゾルおよび雲の光学特性やエアロゾルの種別判定のためのライダー手法の開発研究を進めるとともに、地上ライダーネットワークの標準化と高度化に関する研究を進める。また、衛星搭載ライダー(CALIPSO, EarthCARE)を用いたデータ解析手法の開発・改良およびその検証と衛星観測データの継続性の確立を目指して、多波長ラマン散乱ライダー、高スペクトル分解ライダー、多視野角多重散乱ライダーを含む地上ライダーネットワーク観測を行うとともに、スカイラジオメーターと複合したデータ解析を行う。さらに、高機能ライダーのデータを化学輸送モデルに同化するための手法の研究を行う。
(7) 大量かつ多次元の環境計測データからの環境情報の抽出手法開発ならびに生物分布や生態系の変化を観測する各種計測手法及びそのデータ処理手法の開発に向けて、様々なプラットフォームから観測された高分解能画像や熱赤外画像、地上の定点からの時系列画像等からの情報抽出に必要な技術開発を行なう。特に高分解能画像による野生動物等の行動監視、定点撮影時系列画像による植物の季節変化や積雪状態の監視、沿岸改訂を対象とした可視域レーザーやステレオ撮像、超音波撮影による海底地形計測及びそのデータを利用した光学画像の水深補正/底質分類、更に生態系の三次元計測といった従来研究では取り扱われることの少なかった分野に重点を置く。

課題代表者

今村 隆史
  • 環境計測研究センター
  • センター長
  • 理学博士
  • 化学
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