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地球環境研究分野の概要(平成 28年度)
Global Environmental Research

研究課題コード
1620FP010
開始/終了年度
2016~2020年

研究概要

地球環境は人類の生存基盤に関わる最も基本的かつ重要な要素であり、人間活動に起因する温室効果ガス増加による地球温暖化の進行とそれに伴う気候変動や、オゾン層変動等がもたらす人類を含む生態系への影響に関し、その予測される影響の大きさや深刻さからみて、持続可能な社会の構築のためには地球規模の環境保全に向けた取組が必要不可欠である。しかも、地球環境に対して人間活動の影響が現れるまでには時間が比較的長くかかることから、中長期的な視点に立った継続的な研究への取組が重視される必要がある。
そこで、地球環境の現況の把握とその変動要因の解明、それに基づく地球環境変動の将来予測及び地球環境変動に伴う影響リスクの評価、並びに地球環境保全のための対策に関する研究を実施する。特に、大気中の温室効果ガスの地球規模での動態の観測・解明、過去から将来にわたる気候変動の解明・予測、気候変動に対する地球規模の影響リスクの評価、気候変動に対する国際的な適応・緩和対策に関する研究など、気候変動(地球温暖化)問題に重点をおいて研究を推進する。
また、地球環境の戦略的モニタリングの実施、地球環境データベース(自然科学データ、及び社会・経済データ)の構築・運用、国内外で実施される地球環境研究の推進にかかる支援を行う。衛星による温室効果ガスモニタリングについては、引き続きデータの処理・検証・提供を行う。その他、地球環境の監視・観測技術及びデータベースの開発・高度化に関わる研究、将来の地球環境に関する予見的研究や、新たな環境研究技術の開発等の先導的・基盤的研究を行う。
以上の調査・研究を推進することにより、以下の方向を目指す。
(1) 全球及び東アジア域を中心とした地球環境に影響を及ぼす温室効果気体等の物質の観測・解析を行い、それらの地球規模での循環の実態とその長期的な変動機構を明らかにする。
(2) 地球環境変動の実態の解明と将来予測の精緻化を進める。
(3) 気候変動に対する地球規模の影響リスクの評価を行うことにより、気候変動政策に資する科学的知見を提供する。
(4) 世界規模での温室効果ガス排出抑制策(緩和策)や気候変動に対する適応策を総合的に評価することにより、気候変動に対する国際的な適応・緩和対策の推進に関する科学的知見を提供する。
(5) 地球環境の戦略的モニタリング事業、地球環境データベース事業、地球環境研究の支援事業等を進めることにより、上記をはじめとする地球環境研究の基盤の提供に資する。

課題代表者

向井 人史