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なぜアカリンダニが増えたのか?—農薬がミツバチ寄生ダニに与える影響の評価—(平成 26年度)
The effects of pesticides on acarine parasites on honey bees

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1418CD001
開始/終了年度
2014~2017年
キーワード(日本語)
アカリンダニ,ネオニコチノイド,ミツバチ,農薬
キーワード(英語)
acarine mite, Neonicotinoid, honey bee, pesticide

研究概要

近年、日本国内においてトウヨウミツバチ成虫の気管に寄生するアカリンダニが急速に分布を拡大しており、その原因の一つとしてネオニコチノイド系農薬によるミツバチの免疫低下が考えられる。本研究では、トウヨウミツバチ減少の脅威となるアカリンダニの分布拡大に及ぼす農薬影響を明らかにするために、国内で発生するミツバチ寄生ダニ2 種の分布に対して農薬がどのような影響を及ぼすかについて、生息分布・遺伝的分布調査、農薬暴露実験、環境要因分析を用いて総合的に検証することを目的とし、ミツバチ類保全のための有効な提言を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

(1) 日本国内を中心に、ヨーロッパ、アメリカ等からダニ2 種を採集し、分布を明らかにする。
(2) 遺伝子解析を行い、アカリンダニの国内外の系統関係および集団分化の程度を推定する。
(3) 農薬暴露下においてミツバチ2 種にダニ2 種をそれぞれ寄生させ、農薬影響を評価する。
(4) 地理情報システムを用いて、ダニ2 種の分布パターンにミツバチ2 種の分布、農薬の散布状況、地理・気候条件等が影響しているかを検証する。
(5) 以上の結果をもとに、ダニ2 種の分布拡大に及ぼす農薬影響を評価する。

今年度の研究概要

(1)ダニ2 種の国内生息分布調査・サンプル採集
国内の生息分布については、すでにアカリンダニの発生が報告されている茨城県、長野県、滋賀県を
中心に関東、中部、近畿地方の養蜂場と野外でトウヨウミツバチおよびセイヨウミツバチ成虫を採集
し、ダニ2 種の寄生の有無を調査する。

(2)アカリンダニの遺伝子解析
(1)で採集したサンプルからDNAを抽出し、ミトコンドリア・COI領域約650bpおよびITS領域を含むリボソームRNA・18S〜28S間約700bpの塩基配列を決定する。COI領域では、すでに開発されているユニバーサルプライマーを使用する。18S〜28S領域では、同属で明らかになっている塩基配列からプライマーを開発する。

(3)飼育実験
まず、ダニ2 種を採集し、逸出を防ぐ措置をしたハウス内でミツバチに寄生させ、これらのダニの累代飼育システムを確立する。農薬暴露試験として、1年目は個体レベルの影響評価を行う。ネオニコチノイド系農薬としてイミダクロプリドを用いる。まず、ミツバチ成虫に対して急性毒性を示さないイミダクロプリドの濃度を決定し、それらの濃度で暴露した個体と暴露しなかった個体にアカリンダニまたはヘギイタダニをそれぞれ寄生させ、25℃に調節した人工気象器内で飼育し、各ダニ種の増殖率、ミツバチの飛翔能力、ミツバチの死亡率を比較する。飛翔能力の測定は、宙吊り飛翔法で行う。また、ダニ寄生により発熱能力の低下が疑われるため、赤外線サーモグラフィを用いて個体やコロニーの温度を計測し、衰弱の程度の定量化を目指し、モニタリングを行う。以上の結果をもとに、各ダニ症に対する農薬影響を評価する。

外部との連携

共同研究者 前田太郎 (生物研) 、滝久智 (森林総研) 、芳山三喜雄 (畜草研)

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

坂本 佳子

  • 生物・生態系環境研究センター
    生態リスク評価・対策研究室
  • 研究員
  • 博士(緑地環境科学)
  • 生物学,農学
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担当者