ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

内湾生態系における放射性核種の挙動と影響評価に関する研究(平成 25年度)
Study on dynamics and fate of radionuclides and their possible adverse effects in an inshore ecosystem

予算区分
AO 分野横断
研究課題コード
1214AO003
開始/終了年度
2012~2014年
キーワード(日本語)
東京湾,放射性核種,挙動,生物濃縮,影響
キーワード(英語)
Tokyo Bay, radionuclides, behavior, bioconcentration, adverse effects

研究概要

東京湾を対象にして、福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性核種のうち、特に陸域由来のものの移動・拡散等の挙動、海産生物への蓄積と影響について、フィールド調査を通じて明らかにする。
 東京湾流域の河川及び内湾部の底質における放射性核種(主にセシウムとし、代表的地点についてはストロンチウムも)の分布を調べ、経時変化を明らかにし、挙動を解析する。東京湾内湾部で水・底質、生物(プランクトン、ベントス及び魚介類)に関する包括的モニタリング調査を行い、生物中の放射性核種濃度を調べ、食物網経由の放射性核種の移行・濃縮を明らかにする。魚介類では臓器・組織別分析も行い、体内分布と高濃縮部位を示す。放射性核種が東京湾の生物個体群及び群集レベルで及ぼす影響も解析する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

2011年3月11日の東日本大震災に伴い、福島第一原子力発電所で重篤な事故が起き、大量の放射性核種が環境中に放出された。これらの放射性核種は、東京湾の流域においても広範囲に亘って降下し、環境を汚染した。これまでに、東京湾に流入する河川の一部の底質から高濃度の放射性セシウムが検出されている。一方、東京湾内湾部の表層泥を採取・分析した結果、2011年5月には全地点で検出されないか、低レベルであった放射性セシウム(Cs-134及びCs-137)が、2011年9月に採取された湾北部の表層泥から約800Bq/kg検出され、河川経由で流入してきた可能性が示唆される。今後、プランクトンやベントスを通じて魚介類に濃縮する可能性がある。また、放射性セシウム以外の放射性核種(例えば、Sr-90)による汚染実態の解明も必要である。
 そこで、東京湾流域の河川及び内湾部の底質における放射性核種(主にセシウムとし、代表的地点についてはストロンチウムも)の分布を調べ、経時変化を明らかにし、挙動を解析する。東京湾内湾部で水・底質、生物(プランクトン、ベントス及び魚介類)に関する包括的モニタリング調査を行い、生物中の放射性核種濃度を調べ、食物網経由の放射性核種の移行・濃縮を明らかにする。魚介類では臓器・組織別分析も行い、体内分布と高濃縮部位を示す。放射性核種が東京湾の生物個体群及び群集レベルで及ぼす影響も解析する。

サブテーマ(1)東京湾流域の河川及び内湾部の底質における放射性核種の分布と挙動
東京湾に流入する河川及び内湾部において年に4回程度、底質調査を行い、放射性核種(主にセシウムとし、代表的地点についてはストロンチウムも)の分布を調べる。放射性セシウムはゲルマニウム半導体検出器γ線スペクトロメータにより、放射性ストロンチウムはガスフロー計数装置により、それぞれ、測定する。放射性セシウムについて、測定データを基に経時変化を明らかにし、時空間的挙動を解析する。放射性ストロンチウムについて、代表的な河口域における堆積特性を示す。

サブテーマ(2)東京湾内湾部における包括的モニタリング調査と生物における放射性核種の蓄積
東京湾内湾部において、水質、底質、生物(プランクトン、ベントス及び魚介類)に関する包括的モニタリング調査を年4回実施する。放射性核種分析も行い、食物網経由の放射性核種の移行・濃縮を明らかにするとともに、水・底質−プランクトンやベントス及び魚介類 間における濃縮係数を推定する。魚介類については臓器・組織別の分析も行い、体内分布と高濃縮部位を明らかにする。これにより、東京湾の生態系における放射性核種の挙動解析を行う。

サブテーマ(3)東京湾における放射性核種の潜在的な生物影響の解析
東京湾内湾部における魚介類の質・量(種組成や個体群豊度、現存量など)の変動を把握するとともに、水・底質、餌生物の変動との関連性を解析し、原因を究明する。放射性核種が東京湾の生物個体群及び群集レベルで及ぼす潜在的な影響(例えば、繁殖への影響等)についても解析する。

今年度の研究概要

サブテーマ(1)東京湾に流入する河川及び内湾部において年に4回程度、底質調査を行い、放射性核種(主にセシウムとし、代表的地点についてはストロンチウムも)の分布を調べる。放射性セシウムについて、測定データを基に経時変化と時空間的挙動を調べる。放射性ストロンチウムについても同様に検討する。
サブテーマ(2)東京湾内湾部において、水質、底質、生物(プランクトン、ベントス及び魚介類)に関する包括的モニタリング調査を年4回実施する。放射性核種分析も行い、食物網経由の放射性核種の移行・濃縮を明らかにする。
サブテーマ(3)東京湾内湾部における魚介類の質・量(種組成や個体群豊度、現存量など)の変動を把握するとともに、水・底質、餌生物の変動との関連性を解析する。放射性核種による潜在的影響を引き続き、検討する。

関連する研究課題

課題代表者

堀口 敏宏

  • 環境リスク・健康研究センター
    生態系影響評価研究室
  • 室長
  • 博士(農学)
  • 水産学,生物学,解剖学
portrait

担当者