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化学イオン化質量分析法による二次有機エアロゾル生成初期段階の粒子成分の実時間計測(平成 25年度)
Time-resolved measurement of organic components during the formation of secondary organic compounds by chemical ionization mass spectrometry

予算区分
NA 寄付
研究課題コード
1213NA003
開始/終了年度
2012~2013年
キーワード(日本語)
陽子移動反応質量分析法,二次有機エアロゾル,化学イオン化質量分析法,オゾン酸化,植物起源揮発性有機化合物
キーワード(英語)
PTR-MS, SOA, CIMS, O3 oxidation, BVOC

研究概要

二次有機エアロゾル(SOA)は、気象場の変化によって地域スケールでの水循環等に影響を与えたり、さらに将来の気候にも影響を及ぼすことが懸念されている。その影響を定量的に評価していくには、SOAの生成過程や化学組成の理解が必要である。従来の知見で構成されたモデルから得られるSOA生成量は実際の観測の値に対して、過小評価している。SOA生成量を正確に見積もるには、VOCの大気酸化過程で生成する半揮発性有機化合物(SVOC)の特定、そのSVOCのガス相・粒子相分配、SOA中の成分の把握及び粒子内での変質、などの知見が必要とされている。SOAが生成する初期の頃の成分をオンラインで見ることにより、どのような成分がSOAの粒子形成を担っているかを特定することが可能になると考え、それはSOA生成機構の解明に繋がると考えられる。そこで、揮発性有機化合物からのSOA生成の初期段階を陽子移動反応質量分析法で、その成分を計測する手法を開発する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

揮発性有機化合物からの二次有機エアロゾル(SOA)生成の初期段階を陽子移動反応質量分析法で、その成分を計測する手法を開発するものである。SOAは、テフロン製バックを用いて、炭化水素とオゾンとの反応で生成させる。バック中のガスを、当研究室で自主開発した陽子移動反応—飛行時間型質量分析(PTR-TOFMS)装置に導入して、有機物を検出する。質量分析部にTOFを用いることで、粒子中に含まれる高質量数のものの検出が可能である。PTR-TOFMS装置のインレット部分に、直接導入ラインと粒子加熱ラインを用意して、それぞれ、「ガス成分」と「ガス成分と粒子成分の和」を測定できるラインを用意し、実時間で粒子が形成されていく時間帯の粒子内の有機成分およびガス状成分を検出する。反応系としては、植物起源の揮発性有機化合物(BVOC)のオゾン酸化反応を対象とする。BVOCは、人為起源のVOCより放出量が圧倒的に多く、大気中のSOA生成量への寄与が注目されている。対象とするVOCとしては、SOA生成収率の高いテルペン類を最初に行い、方法が確立された段階で、SOA生成収率は低いが、放出量がBVOCの中で最も多いイソプレンの酸化反応を対象にする。

今年度の研究概要

前年度に作成したインレット部分に、直接導入ラインと粒子加熱ラインを用意して、それぞれ、「ガス成分」と「ガス成分と粒子成分の和」を測定できるラインを用意し、実時間で粒子が形成されていく時間帯の粒子内の有機成分およびガス状成分を検出する。反応系としては、植物起源の揮発性有機化合物(BVOC)のオゾン酸化反応を対象とする。BVOCは、人為起源のVOCより放出量が圧倒的に多く、大気中のSOA生成量への寄与が注目されている。対象とするVOCとしては、SOA生成収率の高いテルペン類を最初に行い、方法が確立された段階で、SOA生成収率は低いが、放出量がBVOCの中で最も多いイソプレンの酸化反応を対象にする。

外部との連携

共同研究者:廣川淳淳教授(北海道大学大学院 地球環境科学研究院)

備考

共同研究:廣川淳准教授(北海道大学大学院 地球環境科学研究院)

課題代表者

猪俣 敏

  • 地球システム領域
    地球大気化学研究室
  • 主席研究員
  • 博士(理学)
  • 理学 ,化学
portrait

担当者