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製品に含まれる化成品及び不純物に由来する有害廃棄物対策と循環方策構築に向けた研究(平成 25年度)
Study on the 3R control for chemicals and impurities in products

予算区分
BE 環境-推進費(補助金)
研究課題コード
1315BE002
開始/終了年度
2013~2015年
キーワード(日本語)
化成品,製品,廃棄物処理,リサイクル,化学分析,バイオアッセイ
キーワード(英語)
chemicals, products, waste management, recycle, chemical analysis, bioassays

研究概要

製品のライフサイクルにおいて製品を構成する化成品の安全性要求に応える形で国内外で規制、規格が整備されつつあるが、上流側(製造側)では把握が困難で下流側(静脈側:製品使用、廃棄物処理、リサイクル過程等)でそのリスク性が認識される化学物質検出の事例が多くある。
 本申請研究では、(1)製品に含まれる有機化学物質(プラスチック添加剤や不純物としての有機ハロゲン化合物等)を対象に製品の静脈側ライフサイクルでリスク要因になり得る化成品・不純物(変換物、分解物を含む)の事例整理と類型化を行い、(2)化成品による化学リスクを最小限にし、廃棄物の適正処理、循環利用を最適に進めるための化成品のデザインのあり方や廃棄物処理・リサイクル過程での適切な技術開発や化学物質情報伝達システムの検討を進める。
 (2)を検討するにあたっては化成品・不純物の存在性とハザードを網羅的に実施できる測定技術(一斉化学分析とバイオアッセイ)を導入の上、ツールとして駆使し、各種の具体的な事例研究(fact finding)に当たる。環境・生態系モニタリングや動物毒性試験の体制も整え、検出から影響までを一貫して定量的に見通す研究システムを整備する。また、静脈側で起こる可能性のある変換分解(熱分解、光分解、加水分解等)の要素実験を組み、上記のツールを用いて化成品のライフサイクルにおける挙動メカニズムの解明を図る。
 枠組みとしては、学術・政策科学研究の専門家との共同研究網を組織するほか、化成品業界団体(日本難燃剤協会等)との相互コミュニケーションを図りながら研究を推進する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

(1)化成品・不純物(プラスチック樹脂及び添加剤系統の物質)について、ライフサイクル下流側(製品使用、廃棄物処理、リサイクル過程等)でそのリスク性が認識される化学物質に関する事例のレビューを行う。体系的なレビューを和文誌に執筆、掲載を目指す。
(2)環境政策上重要視される化成品・不純物(プラスチック樹脂及び添加剤系統の物質)について静脈系での環境排出とその制御に関する事例研究を積む。2−3例についてケーススタディーを実施し、そのリスク評価と制御方策に関する知見を獲得する。アジア途上国等での調査も枠組みに入れる。
(3)化成品・不純物の一斉化学分析とハザード検出のためのバイオアッセイ(核内受容体結合細胞アッセイ、代謝促進・阻害に伴うステロイド合成撹乱試験を用いた内分泌撹乱性を主体とするエンドポイントとする)の開発、適用を行う。適用は、化成品・不純物のプラスチック添加剤系統の標準物質、化成品を含む製品試料や、静脈系を介してヒトや生態系リスクに関わる廃棄物試料を選定し、実施し、結果を相互比較の上で解析する。
(4)(3)と絡み、野生生物等、生体試料におけるプラスチック添加剤系統の検出エビデンスを得て、バイオアッセイ並びに動物実験(組織重量等を指標とする毒性影響および行動学的影響)を実施し、数物質に関して検出から毒性影響までを一貫して定量的に見通す研究を遂行する。
(5)静脈系プロセスを模擬した試験(光、加水、熱分解、溶出あるいはそれらの複合等)を実施し、化成品・不純物を戦略的に選定の上で、それらの排出あるいは分解メカニズムを定量的に明らかにする。
(6)(1)〜(5)を基に化成品及び不純物に由来する有害廃棄物対策と循環方策構築に向けた知見をまとめる。化成品や廃棄物処理の業界団体と情報交換を図りながら進める。

今年度の研究概要

(1)ライフサイクル静脈側におけるリスク要因となり得る化成品や不純物の事例整理と類型化を行う。レビュー内容については和文誌への執筆を行う。
(2)化成品・不純物として選定した標準物質数十種を用いて、一斉分析法のスキームを開発し、横断的な製品分析を実施する。内分泌撹乱性を検出するためのバイオアッセイ(エストロゲン、アンドロゲン、プロゲステロン、グルココルチコイド、ペルオキシソーム増殖因子活性化、ダイオキシン受容体、以上6種類の核内受容体結合アッセイであるCALUXバッテリーを用いる)による標準品や製品抽出物の活性データ(アゴニスト、アンタゴニスト)の取得を行い、化学分析結果と相互比較を行う。
(3)一斉分析等を適用し、魚介類や鳥類等、幅広く対象生物を網羅しながら、化成品・不純物の分析検出を試み、蓄積傾向を把握する。
(4)ラットを用いた組織重量等を指標とする毒性試験および行動学的試験(基礎運動能力、不安行動、学習行動、性行動、性選好性試験)を立ち上げ、臭素系難燃剤とリン系代替難燃剤の試験を実施し、比較を行う。
(5)静脈系プロセスを模した各種分解試験(光分解、加水分解、熱分解試験等)の条件を整え、標準品ベースもしくは製剤ベースの試験を開始し、リスク評価対象とすべき不純物や変換物、分解物の抽出を行う。
(6)難燃剤、可塑剤として使用されている塩素化パラフィン類に優先度を設けて、その製剤数種の不純物含有や焼却挙動についての調査を実施し、焼却時の制御性について取りまとめる。
(7)産業界(化成品製造の業界団体)とのコミュニケーションを開始し、化成品の開発、代替戦略についてのヒアリングを行い、情報を取りまとめる。

外部との連携

分担研究者:酒井伸一教授(京都大学)、田辺信介教授(愛媛大学)、高橋 真准教授(愛媛大学)、川口真以子講師(明治大学)、小瀬知洋助教(新潟薬科大学)

関連する研究課題

課題代表者

滝上 英孝

担当者

  • 鈴木 剛資源循環・廃棄物研究センター